青い目の人形~ナンシー・メリー~

更新日:2022年06月01日

ページ番号: 5728

アメリカから来たナンシー・メリーちゃん

昭和2年(1927年)、国際親善のためアメリカから日本全国に贈られた約1万2000体の人形。
当時流行していた童謡の印象に重ねられ、「青い目の人形」と呼ばれるようになりました。
佐倉には、佐倉小学校と佐倉幼稚園に贈られ、ひな祭りなどで飾られていたそうです。

肩に刻印されてあるマークから、ニューヨークのホースマン社製であることが分かっています。

椅子に座っているナンシー・メリーの人形の写真

園長室にて展示、保管をしています。

戦火を逃れたナンシー・メリーちゃん

昭和16年(1941年)12月8日、日本がアメリカ・イギリスなどの国々に宣戦布告して太平洋戦争に突入すると、国際親善のための人形の役割は180度変化します。敵国から贈られた人形も「仮面の親善使」「敵性人形」などと敵愾心をあおるための標的となり、その多くはたたき壊されたり焼かれたりしてしまいました。佐倉幼稚園に贈られた「ナンシーメリー」も処分されるはずだったのですが、開戦と同時に人目につかないように幾重にも包まれて隠され、棚の隅に30数年にわたり置かれていたのです。
かつて千葉県に贈られた217体の人形のうち、現存するものは9体しかありません。佐倉幼稚園に残されていた「ナンシーメリー」も長い年月によって衣服は色あせてしまいましたが、処分や戦災を免れて伝えられた人形には、親善の尊さを伝える重みが感じられてなりません。

 (佐倉市 こうほう佐倉 1998年8月15日号 記事より抜粋)

関連コンテンツ

この記事に関するお問い合わせ先

[幼稚園] 佐倉幼稚園
〒285-0025千葉県佐倉市鏑木町934
電話番号:043-486-1533
ファックス:043-486-2095

メールフォームによるお問い合わせ