上場株式等の配当等に係る課税方式の選択について

更新日:2023年12月28日

ページ番号: 5595

1.令和6年度(令和5年分)以降の上場株式等に係る配当所得等の課税方式の選択の取扱いについて

 令和4年度税制改正により、令和6年度(令和5年分)以降の市民税・県民税については、所得税と(繰越損失を含め)課税方式を一致させることとなりました。このことにより、所得税と市民税・県民税で異なる課税方式(総合課税・申告分離課税・申告不要制度)を選択することができなくなります。

▶上記の改正により、確定申告において申告した「特定配当等に係る所得」や「特定株式等譲渡所得」については、市民税・県民税においても「申告する」こととなり、市民税・県民税の合計所得金額や総所得金額等にも算入されますので、令和6年度(令和5年分)以降の申告の際は、十分ご注意ください。

 

  税率 メリット デメリット

申告不要

制度

(源泉徴収のみ)

所得税:15.315%

住民税:5%※1

●申告の手間がない。

●合計所得金額・総所得金額等に算入されない。

複数口座の損益通算や繰越控除ができない。

配当控除が受けられない。

●(該当所得のみの場合等)所得控除※2が受けられない。

総合

課税

所得税:累進税率5~45%×復興特別所得税2.1%

住民税:10%※1

配当控除が受けられる。

●市・県民税の税率について、源泉徴収時の5%より高い10%が適用される。(配当控除は最大2.8%)

損益通算や繰越控除ができない。

●合計所得金額・総所得金額等に算入される。

分離

課税

所得税:15.315%

住民税:5%※1

損益通算や繰越控除ができる。

配当控除が受けられない。

●合計所得金額・総所得金額等に算入される。

※1 住民税率の内訳:[5%]…市民税3%・県民税2%、[10%]…市民税6%・県民税4%

※2 社会保険料控除や扶養控除、医療費控除などの所得から差し引く控除

(補足)「合計所得金額・総所得金額等に算入される」の意味

 所得として課税計算に算入されると、市が把握する所得の金額が上がることとなり、課税や健康保険における扶養等の判定にも影響します。

 また、市や公共団体が提供する保険・サービスについて、所得金額や税額に応じて料金・自己負担割合の算定や給付金の交付基準を設定している場合は、所得が上がることにより、料金が増額する、給付が受けられなくなる等の影響を及ぼす可能性があります。
例:国民健康保険、後期高齢者医療保険、介護保険の保険料・自己負担割合/保育料/助成金等の交付要件

2.【令和5年度(令和4年)までの取り扱い】上場配当等に係る課税方式の選択について

平成29年度税制改正で、上場株式等の特定配当等に係る所得や特定株式等譲渡所得等に係る課税方式(総合課税・申告分離課税・申告不要制度)については、所得税と異なる課税方式を選択できることが明確化されました。

上場株式等に係る配当所得等の課税方式比較

  申告する
(総合課税)
申告する
(分離課税)
申告しない
(申告不要制度適用)
税率 市民税 6%
県民税 4%
市民税 3%
県民税 2%
配当控除の適用 あり なし なし
配当割額控除 あり あり なし
上場株式等の譲渡損失との
損益通算
できない できる できない
合計所得金額・総所得金額等(※)への算入 される される されない

上場株式等に係る譲渡所得等の課税方式比較

  申告する
(分離課税)
申告しない
(申告不要制度
適用)
税率 市民税 3%
県民税 2%
株式等譲渡所得割額控除 あり なし
上場株式等に係る配当所得等
(申告分離課税)との損益通算
できる できない
一般株式等に係る譲渡所得との
損益通算
できない できない
合計所得金額・総所得金額等(※)への算入 される されない

※合計所得金額…上場株式等に係る譲渡損失との損益通算適用後の金額および繰越控除適用前の金額
※総所得金額等…上場株式等に係る譲渡損失との損益通算適用後の金額および繰越控除適用後の金額

手続き方法について

上場株式等の配当所得等および譲渡所得等に係る課税方式を選択する場合は、市民税・県民税申告書(上場株式等の所得に関する住民税申告不要等申出書)の提出が必要となります。様式はこのページからダウンロードすることができるほか、市民税課から郵送することも可能です。

※令和3年分確定申告から、上場株式等の配当所得等および譲渡所得等に係る所得の全部について源泉分離課税(申告不要)とする場合は、確定申告書第二表の「住民税に関する事項」欄に〇印を記入することにより、別途市民税・県民税申告書を提出せずに手続きすることができるようになりました。

3.申出書ダウンロード

4.提出期限

市民税・県民税の税額決定通知書・納税通知書が送達される日(注)まで

(注)通知書発送時期の都合上、おおむね4月末までにご提出願います。

  • ご注意ください

市民税・県民税における特定配当等所得または特定株式等譲渡所得の課税方式の選択(申告または申告不要)における期限は納税通知書が送達されるまでであり、その後は課税方式を選択(変更)することができません。
また、市民税・県民税の納税通知書送達後に、配当所得・譲渡所得に関する確定申告書を税務署に提出しても、市民税・県民税の税額算定には算入できません。

提出書類

  • 市民税・県民税申告書
  • 上場株式等の所得に関する住民税申告不要等申出書
  • 確定申告書の控えの写し
  • 上場株式等の配当等または譲渡所得等に関する書類の写し(支払通知書や特定口座年間取引報告書)
  • マイナンバーに係る本人確認書類(マイナンバーカードまたは通知カードおよび運転免許証や保険証など)

注意事項

  • 課税方式の選択により保険料等の他制度に影響が出る場合があります。選択による影響を考慮のうえ、ご自身で選択してください。
  • 上場株式等に係る譲渡所得等であっても、簡易申告口座(源泉徴収されない特定口座)や一般口座の場合は、申告不要を選択することはできません。
  • 上場株式等の配当所得および譲渡所得等について、市民税・県民税で申告不要制度を選択した場合や、市民税・県民税の納税通知書送達後に確定申告書を提出した場合は、配当割額・株式等譲渡所得割額の控除は適用されません。

Q&A

Q 市民税・県民税の納税通知書送達後に配当所得を新たに加える確定申告(修正申告を含む)を行った場合、市民税・県民税の課税方式はどうなるのか。

A 地方税法上、「市民税・県民税の納税通知書送達までに提出」と規定されているため、納税通知書送達後は課税方式を選択することはできません。これにより、納税通知書送達までにこの所得を確定申告されなかった場合は、源泉分離課税(申告不要制度)を選択したものとみなされ、納税通知書送達後に配当所得を新たに加える確定申告(修正申告を含む)を行っても、市民税・県民税の税額算定には算入されません。

Q どの課税方式を選択するのが良いのか。

A 所得金額や控除額の状況などの課税要件のみならず、各種保険(国民健康保険税、介護保険料、後期高齢者医療制度保険料等)の加入状況等によっても異なりますので、どの課税方式を選択するのが良いのか一概には言えません。これらの状況を踏まえ、ご自身で総合的にご判断いただくこととなります。

この記事に関するお問い合わせ先

[財政部]市民税課(市民税班)
〒285-8501千葉県佐倉市海隣寺町97番地
電話番号:043-484-6115
ファクス:043-486-5444

メールフォームによるお問い合わせ