佐倉市立美術館

佐倉市立美術館

展覧会

令和2年(2020)年度の展覧会

2020年3月5日~2020年6月1日までは新型コロナウィルス感染症対策のため休館


収蔵作品展 ちばのいろ

  • 期間
    2020年4月1日(水)~5月1日(日)  新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、中止となりました
  • 会場
    佐倉市立美術館2階展示室
  • 観覧料
    無料
ちばのいろ

城下町佐倉が近隣都市(門前町成田、商家の町佐原、港町銚子)とともに「北総四都市江戸紀行・江戸を感じる北総の町並み」として、文化庁から「日本遺産」に認定されたのは2016年のことでした。
本展では、四都市を中心に千葉の歴史や風土を感じる風景の作品を展覧します。この機会にゆったりと作家たちが見つめた景色をご覧ください。
あわせて幼少期を佐倉で過ごし、後に金工家として活躍した香取秀真(1874-1946)や津田信夫(1875-1946)、佐倉藩士の家系に生まれた浅井忠(1856-1907)や堀柳女(1897-1984)など、佐倉ゆかりの作家の作品をご紹介します。

収蔵作品展 戦後版画の隆盛
深沢幸雄と池田満寿夫

  • 期間
    2020年6月2日(火)〜7月12日(日) 終了しました
  • 会場
    佐倉市立美術館2階展示室
  • 観覧料
    無料
戦後版画の隆盛 深沢幸雄と池田満寿夫

当初、画家を目指していた深沢幸雄(1924-2017年)は空襲による後遺症のために歩行困難となり、1954(昭和29)年頃から机上で制作出来る銅版画を独学で始めます。詳しい技法書も無い時代、不自由な足では情報収集もままならず、千葉県市原市のアトリエでは困難の連続だったと思われます。しかし、そうした逆境下での試行錯誤によって深沢は極めて独自の表現を獲得、銅版画を始めて約3年後の第25回日本版画協会展では最高賞である協会賞を受賞するなど、早い時期からその才能を認められます。1963(昭和38)年にはメキシコ政府の依頼により、銅版画の技法を教えるために3ヶ月間メキシコシティに滞在。深沢はこの滞在をきっかけにメキシコを第二の故郷として交流を続け、1994(平成6)年には同国に銅版画を普及させた功績により、外国人に与えられる最高勲章であるアギラ・アステカ(アステカの鷲の意)を受章します。

池田満寿夫(1934-97年)は1956(昭和31)年、前衛芸術家・瑛九(1911-60年)の助言によって色彩銅版画を制作します。当初、生活の糧を得るために始めた銅版画でしたが、1960(昭和35)年の第2回東京国際版画ビエンナーレ展への出品が池田に大きな転機をもたらします。同展の審査委員長であり、クレーやカンディンスキーの研究家として著名なヴィル・グローマン博士(1887-1968年)が強く推薦したことにより、池田の作品が文部大臣賞を受賞したのです。
実はこの文部大臣賞の受賞者が発表されたその瞬間、深沢は池田のすぐ隣にいて、「全く無名の青年に光が当たった時で華やかな受賞歴の最初の光景である」と後に文章にしています。その後、池田は1966(昭和41)年の第33回ヴェネチア・ビエンナーレにおいて版画部門大賞を受賞します。

本展では無名時代から交流があり、共に世界へと活躍の場を広げることで戦後版画の隆盛期を支えた二人の代表的な作品をとおして、銅版画の魅力をご紹介いたします。尚、本展では千葉県にゆかりがあり、戦後版画を代表する作家として、浜口陽三(1909-2000年)、深沢の教え子である清原啓子(1955-87年)の作品もあわせて展示いたします。

大正イマジュリィの世界

  • 期間
    2020年8月1日(土)〜9月22日(火・祝) 終了しました
  • 会場
    佐倉市立美術館2、3階展示室
  • 観覧料
    一般800(640)円 大学・高校生600(480)円 中・小学生400(320)円 未就学児無料(  )内は前売および20名以上の団体料金
  • 大正イマジュリィの世界

    100年前、人々はどんな夢を見たのか?

    「イマジュリィ(imagerie)」 とは、イメージ図像を意味するフランス語で、装幀や挿絵、ポスター、絵はがき、広告、マンガ、写真など大衆的な複製図像の総称でもあります。
    明治維新以来、近代化、西欧化の道を歩んできた日本では、大正から昭和初期にかけて、新しい大衆文化が花開きました。マスメディアが発達し、印刷技術の革新により出版界が隆盛したのもこの頃で、多様な印刷図像が登場します。竹久夢二や高畠華宵、武井武雄が描く儚く抒情あふれる乙女や子どもの世界、アール・ヌーヴォーやアール・デコの優美な様式を取り入れた藤島武二や杉浦非水、水島爾保布や橘小夢らによる妖しいきらめきに満ちた意匠は、当時の人々の目にどれほど新鮮に、魅力的に映ったことでしょう。
    本展では、ポピュラー・カルチャーの旗手として人々の心をつかみ、大正とその前後の時代を彩ったイマジュリィに注目します。いまなお精新な輝きを放つ作品の数々をお楽しみいただける展覧会です。
    また、明治図案から大正イマジュリィへの橋渡しをした浅井忠や、浅井忠の図案をもとにした工芸作品、大正イマジュリィを立体化したような家具をデザインした森谷延雄などもあわせて紹介します。

    • イベント

      期間中のイベント 
      *感染症等の感染が拡大した場合、開催を中止することがあります。

      〇ギャラリートーク
      2020.8/22(土)、9/19(土) 各日14:00~ 終了しました
      担当学芸員による展示解説を行います。参加費無料 *参加には観覧券が必要です。

      〇ボランティアによる対話型鑑賞会「ミテ・ハナソウ・カイ」 中止になりました
      2020.8/23(日) 11:00~ エントランスホール集合 参加費無料 *参加には観覧券が必要です。

      〇ミュージアム・コンサート
      2020.8/16(日)、9/20(日) 各日とも14:00~ 参加費無料 中止になりました
      協力:佐倉楽友協会

久保 浩 「眼と手」の力


    • 期間
      2020年10月24日(土)〜12月20日(日) 終了しました
    • 会場
      佐倉市立美術館2階展示室
    • 観覧料
      高校生~一般500(400)円 中学生以下は無料 (  )内は前売および20名以上の団体料金
    久保 浩―「眼と手」の力

    佐倉市立美術館は、開館以来、佐倉・房総ゆかりの作家についての調査・研究を活動の大きな柱とし、その結果としての展覧会も数多く開催してきました。
    今年度は、JR佐倉駅前の彫刻通りや、京成線ユーカリが丘駅のペデストリアンデッキなど市内にも作品が設置されている佐倉在住の彫刻家・久保浩(くぼ・こう)の展覧会を開催します。
    「この世に存在するものは全て立体である」と語る久保は、スケッチなど平面の習作は描かず、ものの形を無限の視点から立体としてとらえ、それをそのまま強い存在感を放つ彫刻として表現しています。
    本展では、2020年に米寿を迎えた久保浩の作品を一堂に集めて、紹介いたします。普段はまちの風景に溶け込んでいる作品や、毎年の地域の美術展などで発表された作品をはじめ、広汎な知識に裏打ちされた作品や、自身の愉しみと創作欲からつくられた彫刻以外の作品も展示します。それらすべてに向けられた鋭い観察眼と造形する手の力を感じ取っていただく機会になれば幸いです。

    久保 浩(くぼ・こう)
    1932年、神戸に生まれる。彫刻家・朝倉文夫に師事。1963年、日展に初入選以後、日展、日彫展を中心に活躍し、多くの賞を受賞。また佐倉市内を始め、各地の公共彫刻も手掛ける。千葉県美術会の常任理事や佐倉美術協会工芸・彫刻部会で長年にわたり理事を務めるなど、地域の美術振興にも尽力、2019年には「地域文化功労者文部科学大臣表彰」を受けた。


    ●おうちdeミュージアム(記録映像)



カオスモス6 沈黙の春に

  • 期間
    2021年1月26日(火)~3月14日(日) 終了しました
  • 会場
    佐倉市立美術館2、3階展示室
  • 観覧料
    一般800(640)円、大学・高校生600(480)円、中・小学生400(320)円、未就学児無料 (  )内は前売りおよび20名以上の団体料金
カオスモス6 沈黙の春に

当館では1994(平成6)年の開館時より、運営方針の一つである「現代美術の紹介」を目的としたシリーズ企画「チバ・アート・ナウ」を開催してまいりました。同企画は、千葉県の美術状況を紹介すると共に、分かりにくいとされる同時代の美術への理解を深めていただくことを目的としていました。
2003(平成15)年度からは、出品作家を県外からも招くことで、より客観的な位置に視点を置いたシリーズ企画「カオスモス」に移行しました。カオスモスとは、カオス(混沌)とコスモス(宇宙、秩序)を合体させた造語ですが、この言葉の示すように、様々な思想や様式が融合し、分裂していく今日の美術の状況を報告すると共に、それらがどこへ向かっているのか、鑑賞者と共に考える企画でありたいと思います。
今回ご紹介するのは、生命や自然をモチーフとして自らの表現を追求する作家たちです。現代社会において人間の欲望は拡大する一方であり、他の生命や自然との共存をめぐっては様々な課題を抱えています。そうした中で同時代を生きる作家による多角的なアプローチは、私たちが気づかない何かを示唆してくれるように思われます。
2020年の春、新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの生活は一変し、沈黙を余儀なくされた日々を過ごしました。新たな春を迎えようとする現在も未だ出口が見えず、模索する日々が続いています。このような大きな災禍の中で、これまでにない不安を感じている今こそ、あらためて生命や自然といった根源的な問題と向きあう表現が私たちの心に何かを訴えかけてくるのではないでしょうか。この機会に生命や自然との関わりを真摯に見つめる作家たちの表現を是非ご鑑賞下さい。



小野 ハナ|Ono hana     1986年岩手県生れ|アニメーション
2015年、毎日映画コンクールで「大藤信郎賞」を受賞した注目の若手作家。新作と素描を発表予定。

木村 彩子|Saiko Kimura     1979年千葉県育ち|絵画
身近な自然環境を淡々と描き続けている画家。近作から最新作まで、油彩画約20点を展示予定。

アストリッド・コッペ|Astrid Köppe     1974年ドイツ生れ|ドローイング
A4サイズの紙に植物や動物、菌類等を思わせる半抽象形態を描き続ける作家。近作24点を展示予定。

染谷 悠子|Yuko Someya     1980年千葉県生れ|絵画
生命と自然との関りを和紙や墨、リトグラフインク等を用いた独自の方法によって描く画家。

村上 早|Saki Murakami     1992年群馬県生れ|銅版画
痛みを伴う体験から紡がれた生命の物語を大型の銅版画として作品化する作家。新作を発表予定。


●学芸員による解説 2021年2月13日(土)、3月6日(土)
各日とも14:00より/美術館3展示室を予定/無料(※参加には観覧券が必要です)/申込不要

→緊急事態宣言の延長を受けて、中止となりました。

●対話型鑑賞ツアー「ミテ・ハナソウ・カイ」オンライン ~2月~ ミテ*ハナさんとめぐる「沈黙の春に」展
2021年2月28日(日)10:30-11:30/オンラインにて開催(Zoomを使用)/無料/要申込(Peatixよりお申し込みください) 詳細はこちら
→終了しました。

※ご来館に際し、日時予約の必要はありません。しかし、新型コロナウイルス感染症対策のため、今後の状況によっては会期などが変更になる可能性があります。

●おうちdeミュージアム(記録映像)