令和2年度介護給付費財政調整交付金の算定誤りについて
このたび、介護給付費財政調整交付金申請において算定誤りがあり、市民の皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。
1.概要
令和2年度における介護保険事業において、介護給付費財政調整交付金申請に係る事務処理に誤りがあり、当該年度の交付額が、本来交付されるべき額より約7千万円少ない 54,542,000円 となる事案が発生しました。
なお、令和2年度を含めた近年の介護保険特別会計につきましては、決算剰余金が生じており、介護給付費等準備基金の残高が令和2年度末には約25億6千万円となっておりますことから、本件算定誤りが介護サービスの低下や保険料の値上げなど、直ちに、市民の皆様に対して、直接的な影響を及ぼす状況にはないものと考えております。
2.財政調整交付金とは
「介護給付費財政調整交付金」とは、介護保険制度の安定的な運営を目的に国から運営主体である市町村に交付されるもので、市町村格差の是正を図るための「普通調整交付金」と災害等へ対応するための「特別調整交付金」の2つの交付金で構成されています。
「普通調整交付金」は、目的の一つに高齢者(65歳以上)に占める後期高齢者(75歳以上)比率から生じる格差是正も含まれていることから、高齢者数や前期・後期高齢者数などを基礎数値として算定しています。
[普通調整交付金の額] = [標準給付費額] × [普通調整交付金の交付割合]
3.原因及び経過
今回の算定誤りは、「普通調整交付金」を算定する過程で発生じたもので、令和2年度の算定において、誤って元年度の数値を用いて千葉県に報告したことが誤りの主な原因です。
高齢者 65歳以上 |
前期 65-74歳 |
後期 75歳以上 |
(後期 内訳) | |||
---|---|---|---|---|---|---|
(75-85歳) | (85歳以上) | |||||
人口 | 誤 | 656,722 | 346,861 | 309,861 | 234,499 | 75,362 |
正 | 667,123 | 344,236 | 322,887 | 242,343 | 80,544 | |
比率 | 誤 | ‐ | 0.5282 | 0.4718 | 0.3571 | 0.1148 |
正 | ‐ | 0.5160 | 0.4840 | 0.3633 | 0.1207 |
*人口は、12か月を足し上げた合計の人数
*比率は、全ての高齢者人口に対する比率
この報告値の誤りにより、本来であれば、普通調整交付金交付割合 1.09% であったところ、 0.47% と算定され、その結果、本来交付額の 125,248,000円 に対して、本市が算出し、受領した額は 70,706,000円 少ない、54,542,000円 となりました。
算定誤りを認識後、直ちに、過少分の追加交付を目指し、国及び千葉県と協議いたしましたが、現行制度においては困難とのことでした。
4.再発防止策
事務処理マニュアルを精査し、新たにチェックリストを導入、担当者複数制とすることで、データの正確性の確保と作業の可視化を図り、再発防止に努めてまいります。
5.責任・処分等
算定誤りの端緒となった交付金担当者並びに、事務の適正な執行を管理監督すべき立場にあった福祉部長及び介護保険課長の3名を戒告処分といたしました。
なお、市長につきましては、給料の10%を1か月減じるための関係条例を令和3年11月定例会に提案いたしました。
更新日:2022年06月01日