結核について~結核は現代病の病気です~
結核について
結核は過去の病気にように思われがちですが、現在年間に国内で18,000人弱が新たに結核患者と診断されています。
1.結核ったどんな病気ですか?
結核とは、結核菌によって主に肺に炎症を起こす病気です。結核を発病し重症化している人の咳やくしゃみのしぶきには、結核菌が含まれています。このしぶきの水分が蒸発し、空気中に飛んでただよっている結核菌を周りの人が吸い込むことによって移ります。(空気感染)
結核には大きく分けて「感染」と「発病」の2つの状態があります。
感染とは?
結核菌を吸い込んで体内に結核菌が存在しているものの、自ら免疫機能で結核菌の活動が抑えられている状況です。感染しているだけでは、人に移すことはありません。また感染しても発病をするのは1~2割程度で、残りの8~9割の人は一生発病することなく過ごします。
発病とは?
身体の免疫力、体力の低下によってそれまで抑えられていた結核菌が活動を始め、病変を起こしている状態です。発病した方については、結核としての治療が必要となります。
ただし、発病した方すべてが周囲に感染させるわけではありません。発見が遅れて重症化している場合のみ、人に移してしまうことがあります。
このことから、万が一感染していることがわかった場合でも、その感染した方に十分な免疫力があれば発病には至りません。
現在では、結核は決められた期間薬をきちんと飲むことで治ります。
しかし、治療の途中で服薬を中断してしまうと、菌が抵抗力をつけ、薬が効かない耐性菌となることがあります。
治療中の方については、主治医の指示のもと内服治療を継続することが大切です。
2.結核の症状は?
結核の症状は、風邪によく似ています。具体的な症状としては次のとおりです。
- 2週間以上続く長引く咳、痰
- 発熱(37~38度)
- 食欲不振
- 体重減少
- 全身倦怠感
- 胸の痛み
- 血痰
気になる症状がある場合は、早めに医療機関に受診しましょう。
早期発見、早期治療は、本人の重症化を防ぐためでなく、大切な家族や友人、職場などの感染を防ぐために重要です。
3.結核から身を守るには?
結核は体力、免疫力が低下していると発病しやすいと言われています。結核予防には、日頃からの健康づくりが大切です。
健康管理で結核予防
十分な睡眠、バランスのいい食事、適度な運動で免疫力維持に努めましょう。
BCG予防接種
乳幼児が結核に感染すると重症化しやすいと言われています。1歳になる前に(標準5か月~8か月)にBCGを受けましょう。
年に一度は胸部レントゲンを受けましょう。
結核を発病してるかどうかは、胸部レントゲン検査でわかることが多いです。
健康管理として、1年に1回は市の検診、職場健診等で胸部レントゲンを受けるように心がけましょう。
4.高齢者の結核について
高齢者の方では、咳、痰などの結核特有の呼吸症状が現れにくい場合があります。
食欲がない、元気がない、体重が減っている、微熱があるなど比較的分かりにくい症状しかみられないことがあります。
そのために、「いつもより体調がすぐれない。」「なんとなく普段と様子が違う。」といった健康状態の変化にも注意が必要です。
更新日:2022年06月01日