佐倉市立美術館

佐倉市立美術館

展覧会

平成21(2009)年度の展覧会

佐倉・房総ゆかりの作家たち—版画作品を中心として

  • 期間
    2009年3月28日(土)~5月24日(日) 終了しました
  • 会場
    佐倉市立美術館2階展示室
  • 観覧料
    無料

就学期を千葉県銚子市で過ごした浜口陽三(1909年-2000年)は渡仏後、古典的な銅版画技法「メゾチント」に独自の解釈を加えることで自分の表現を確立してゆきます。その静謐で詩的な作品は1957年の第4回サンパウロ国際ビエンナーレ展において版画大賞を受賞するなど、国内外で高い評価を受けました。
浜口と共にフランスへ渡り、後に妻となる南桂子(1911年-2004年)は当初、作家・壺井栄らの知遇を得て童話を書いていたこともあり、詩情豊かな世界を描いています。童話から抜け出たような少女の顔は一見無表情にも見えますが、秘められた想いのようなものが感じられ、見る人のこころの奥に語りかけてくるようです。その作品は1957年にはニューヨーク近代美術館のクリスマスカード、翌1958年にはユニセフ(国際連合児童基金)のグリーティングカードに採用されました。
本展では、国際的に活躍した2人の銅版画家の代表的な作品を中心に展示いたします。そこに同じく国内外で活躍し、戦後版画の隆盛を支えた作家である、福井良之助(1923年-1986年)、深沢幸雄(1924年-)、池田満寿夫(1934年-1997年)、の作品を交えてその特色を比較し、版画の魅力について考えてみようというものです。

主催 佐倉市立美術館
特別協力 秋山庄太郎写真芸術館、ミュゼ浜口・ヤマサコレクション

※福井良之助の作品について
原節子のポートレイトなどで著名な写真家・秋山庄太郎と福井との出会いは1959(昭和34)年にさかのぼります。きっかけはある画廊に試験的に置いてあった、全く無名の頃の福井の謄写版を秋山が一目見て気に入り、まず数点を買取った上で画廊主に個展開催を薦めた事でした。
かくして日本橋画廊において1959年9月に「福井良之助新作版画展」は開催され、作品は完売となりました。秋山の勘は見事に的中したのです。ただし、買ったのは米軍基地に関係する医師などの在日アメリカ人コレクターでした。当時の日本人コレクターは謄写版、つまり通称ガリ版による作品をコレクションの対象として認めなかったのです。よって、福井の作品の多くがアメリカへと渡ることになり、それらの一部が後にニューヨーク近代美術館や米国国会図書館等8館に収蔵されることになります。本展では秋山がその折に買ったと思われる作品5点(「けし(1)」を含む謄写版5点)を展示いたします。


佐倉・房総ゆかりの作家たち—新収蔵作品を中心として

  • 期間
    2009年5月30日(土)~7月26日(日) 終了しました
  • 会場
    佐倉市立美術館2階展示室
  • 観覧料
    無料

佐倉市立美術館では、日本近代洋画の先駆者である浅井(あさい)忠(ちゅう)(安政3年~明治40年)とその周辺作家の作品を収集の柱の一つとしております。平成20年度は、浅井の晩年時代にあたる京都時代に最初に弟子となった芝(しば)千秋(せんしゅう)(明治10年~昭和31年)の作品を収蔵いたしました。
日本画家であった芝千秋は、新しい日本画を目指して、浅井を中心に開設された聖護院洋画研究所、関西美術院で洋画を学び、特に鉛筆画に優れた才能を発揮し、高い評価を得ていました。
本展では、洋画研究所や美術院で描いた人物デッサンをはじめ、鉛筆による風景スケッチや水彩画をご紹介します。
また、浅井忠、佐倉出身で浅井の弟子で従弟にあたる都鳥(ととり)英喜(えいき)(明治6年~昭和18年)、佐倉と友好関係にあるオランダに在住する吉屋(よしや)敬(けい)(昭和20年~)の新らたに収蔵したアクリル画3点と銅版画も展示いたします。

  • イベント

    〇ギャラリートーク
    担当学芸員による作品解説
    第2・第4土曜日(6月13日、27日、7月11日、25日) 終了しました
    午後2時~ 2階展示室


日蘭通商400周年記念
オランダデザイン展—挑発する色とかたち

  • 期間
    2009年8月1日(土)~9月23日(水・祝) 終了しました
  • 会場
    佐倉市立美術館2・3階展示室
  • 観覧料
    一般800円(640)、大学・高校生600円(480)、中・小学生400円(320)、小学生未満無料
    ※( )内は、前売り(7/31まで)および20名以上の団体料金
    ※敬老の日(9/21)は、65歳以上の方は無料
オランダデザイン展

→日本オランダ年2008-2009ホームページ

廃棄された引き出しをベルトで束ねただけのチェスト。子供の粘土細工のようなテーブル。現在、オランダの第一線で活躍するデザイナーの作品は、私たちのデザインに対するイメージとは大きく異なります。一方で、オランダからは人間工学にもとづいた合理的デザインのイスや、機能性を追求したシンプルな家電製品も生み出されています。
オランダデザインの持つこのような特徴は、国土の1/4が海抜以下という特殊な地勢から、国土を干拓などによって造成・維持するなかで培われた合理的な国民性や、美術における最新の造形理論を家具という日用品にあてはめたリートフェルトの前衛性にそのルーツを見出すことができます。
本展は、1920年代から現代にいたるオランダの家具・ポスター・家電製品などに現れたデザインを「ウィット」「革新性」「合理主義・機能主義」「簡明性」のキーワードにそって紹介し、オランダのデザインの持つ特徴について考えようとするものです。そこには、理知的でありながら遊び心あふれるオランダ人の「デザイン」感覚を見ることができるでしょう。

主催:佐倉市立美術館
後援:オランダ王国大使館 日蘭協会 佐倉日蘭協会
賛同:オランダ政府観光局
協力:PHILIPS、株式会社ホウトク、CIBONE、有限会社ドゥポワソン、STUDIO SAMIRA BOON、株式会社オールファッションアート研究所、hhstyle.com、chair-chair、株式会社サーティーファイブ サマーズ、有限会社ユトレヒト
企画協力:株式会社キュレイターズ

  • イベント

    〇ワークショップ 「白いだけなんてつまらない! オリジナルマスクを作ろう」
    オランダのデザイナー、サミラ・ブーンは、来日した時に、多くの日本人が白いマスクをしているのに驚きました。おしゃれに洋服を着こなす日本人のためにと、ブーンは動物の口などをプリントしたマスクを発表し、話題になりました。ブーンのマスクにちなんでオリジナルのマスクを作ります。
    日時:8/2(日)①10:30~、②14:00~ 終了しました
    対象:小学生以上  定員:各回20名  参加費:無料
    参加申込方法:ワークショップ名・参加希望日・住所・氏名・年齢・電話番号を明記の上、ハガキ・FAX・Eメールで佐倉市立美術館まで。


    〇ワークショップ 「マイRed & Blue ~ミニチュアいす作り」
    オランダを代表するデザイナー、リートフェルトの代表作「赤と青の椅子」の1/30のミニチュアを作ります。
    日時:8/22(土)、8/30(日)、9/12(土)、9/21(月・祝) 終了しました
    各回①10:30~、②14:00~ (1日2回開催)
    協力:ミニチュア・アート・スタジオ 夏
    対象:中学生以上  定員:各回10名  材料費:840円
    参加申込方法:ワークショップ名・参加希望日・住所・氏名・年齢・電話番号を明記の上、ハガキ・FAX・Eメールで佐倉市立美術館まで。


    〇さわって、遊んで、オランダデザインを体感
    会期中、エントランスホールが、オランダの子供部屋になります。小さな子どもから大人の方まで、オランダ製のおもちゃやリートフェルトの椅子のパズル(上の写真)やぬり絵など、さまざまなおもちゃを通じて遊びながらオランダデザインを体感できます。そのほか、窓をモンドリアン風の柄にするコーナーや、折り紙を使って、オランダ風の建物をつくるコーナーなどがあります。


    〇ギャラリートーク
    担当学芸員が展示解説を行います。
    日時:8/9、8/23、9/13 各14:00~ 終了しました
    場所:美術館展示室内
    ※聴講無料(展覧会の観覧券が必要です)


    〇ミュージアム・コンサート 「オランダの歌・ときどきストリートオルガン」
    オランダデザイン展に合わせ、佐倉ジュニア合唱団(小学生~大学生で構成)が、オランダの歌を披露します。また、オランダからやってきたストリートオルガン「ベーニンゲン」の音色も楽しめます。
    日時:8/11(火) 14時~終了しました
    場所:1階ロビー
    出演:佐倉ジュニア合唱団、ストリートオルガン(ベーニンゲン)
    観覧無料

→オランダデザイン展の様子
→秋篠宮殿下・妃殿下ご来館(2009.9.3)

佐倉・房総ゆかりの作家たち 櫻井慶治展—収蔵作品を中心として

  • 期間
    2009年10月23日(金)~11月23日(月・祝) 終了しました
  • 観覧料
    無料

郷土を愛し、90歳の今日も現役として活躍する佐倉市出身の画家・櫻井慶治氏の歩みを佐倉市立美術館の収蔵作品を中心に紹介します。


第28回 新春佐倉美術展

  • 期間
    2010年1月5日(火)~1月17日(日) 終了しました
  • 観覧料
    無料

佐倉を拠点として活動する現代作家の絵画、彫刻、工芸、書などの作品を一堂に集めて紹介します。
(絵画・工芸は公募、審査による入選者、彫刻・書は実行委員会による選抜)


第3回 アート・フォト・サクラ ~アートを感じる写真展~

  • 期間
    2010年1月22日(金)~1月31日(日) 終了しました
  • 観覧料
    無料

写真をとおしてアートについて考えるための公募写真展。市民ボランティアによる実行委員が企画・運営に携わります。
また、関連事業として、市内の小学生から募集した写真を12月に展示する予定です。
→作品募集の詳細はこちら


Chaosmos ’09: Monologues in Solitude 作家はつぶやく

  • 期間
    2010年2月7日(日)~3月22日(月・祝) 終了しました
  • 会場
    佐倉市立美術館2・3階展示室
  • 観覧料
    一般600円(480円)、大学・高校生400円(320円)、中学生以下無料
    ※( )内は前売り及び20名以上の団体料金
>Chaosmos ’09

カオスモスとは、カオス(混沌)とコスモス(秩序)を合体させた造語です。本展では、極めて私的な表現を確立した5人の作家たちの作品(絵画、彫刻、アニメーションなど)約50点を展示します。そこにはまず、他人が普段気にも留めないような、何気ないものへの執着があります。声高な主義主張が溢れる中で、作家の「孤島で生きるつぶやき」とでも喩えられるような、言い知れぬ深みを持った作品をご鑑賞ください。
尚、吉田哲也氏は2005年に亡くなっておられますが、この度未発表の作品が見つかったこともあり、広く世に知られることのなかった秀作をご紹介する重要性から例外的に出品作家とさせていただきます。

【出品作家】
喜舎場盛也[Moriya Kishaba] 1979年沖縄県生
平面/ある規則性で紙に膨大な数の漢字群が書き込まれた作品。15点を展示。

戸來貴規[Takanori Herai] 1980年岩手県生、幼少期を千葉県で過ごす
平面/少年時代の一番良い日の思い出を幾何学的紋様で装飾して綴った「にっき」を展示。

宮嶋葉一[Yoichi Miyajima] 1954年大阪府生、千葉県在住
絵画/ドイツ留学を経て確立された極めて独自なスタイルの絵画約15点を展示。

吉田哲也[Tetsuya Yoshida] 1964年愛知県生、2005年逝去
彫刻/トタンや針金、石膏といった素材を用いて、極限まで簡素化された彫刻15点を展示。

和田淳[Atsushi Wada] 1980年兵庫県生
アニメーション/英国で大賞を受賞した「鼻の日」等、独特の間(ま)による作品4点を上映。

  • イベント

    〇記念講演会「私が出会った作家たち」
    講師 西村智弘氏(美術評論家)
    日時 3月7日(日)午後2時より 終了しました
    場所 市立美術館4階ホール
    聴講無料
    申し込み はがきまたはファクスで住所、氏名、電話番号、人数を明記の上、佐倉市立美術館講演会係まで。
    定員 99名(先着順)


    〇記念ミュージアム・コンサート1
    日時 2月14日(日)午後2時~、4時~(2回開催) 終了しました
    ヴァイオリン:廣川抄子 ピアノ:木戸俊輔
    曲目:スペイン舞曲(ファリャ)ほか

    〇記念ミュージアム・コンサート2
    日時 2月28日(日)午後2時~ 終了しました
    ニューフィル千葉の歌とピアノ三重奏による室内楽

    ※1、2共に1階ロビーを予定、無料/申込不要


    〇学芸員による解説
    2月11日(木)、21日(日)、3月7日(日)、21日(日)、の午後2時より 終了しました
    ※聴講には展覧会入場券が必要です。


佐倉・房総ゆかりの作家たち—新収蔵作品を中心に

  • 期間
    2010年3月28日(日)~5月23日(日) 終了しました
  • 観覧料
    無料

平成21年度中に新たに収蔵した作品を中心に、展示します。


【その他の企画】
アート・プロジェクト2009 むこうのさくら ―パラシュートとマキオ
北海道河東郡士幌町の佐倉地区と、千葉県佐倉市とをアートで結ぶ「むこうのさくら」。
それぞれの「お手紙つきパラシュート」をまきました。
→詳細はこちら