古代の豪族・在地領主たち

更新日:2024年03月24日

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佐倉に影響を与えた古代の豪族・初期武士

平 将門(たいらの まさかど)

親戚との争いが反乱に

延喜3年(903)?~天慶3年(940)。

桓武平氏。高望王の孫で、鎮守府将軍平良将の子。下総国猿島郡・豊田郡を本拠としていました。

承平5年(935)、伯父たち平国香・良兼・良正と父の遺産の土地を巡って合戦を始め、これに勝利すると、関東各地から将門を頼って豪族たちが集まってきました。

天慶2年(939)に、武蔵国・常陸国の紛争に介入しました。その後、常陸・下野・上野の国府を制圧し、承平天慶の乱を起こしました。坂東8か国を手中に収めると、新皇と称して関東各国に国司を任命しました。

朝廷は、平将門追討の命令を下し、それに呼応した藤原秀郷と平国香の子貞盛によって天慶3年(940)に討ち取られました。

平 忠常(たいらの ただつね)

房総に戦乱と荒廃をもたらした

康保4年(967)~長元4年(1031)。

桓武平氏。平将門の叔父良文の孫。上総国・下総国に所領を持ち、安房国にも勢力を伸ばしました。

長元元年(1028)に安房の国衙を襲撃し、対立していた国司の平惟忠を殺害しました。朝廷は、報告を受け、平直方を追討使として派遣しました。忠常は朝廷に反抗する意図はなかったようですが、直方とは敵対関係にあり、徹底抗戦しました。

合戦が長期化し、戦場となった房総半島は荒廃し、生産力が失われました。税の徴収ができなくなることを恐れた朝廷は、長元3年(1030)に平直方を罷免し、後任の追討使として源頼信が任命しました。源頼信は、かつて常陸の国司であった時に忠常と主従関係を結んでいたので、交渉の結果、忠常は降伏しました。

長元4年(1031)に忠常は京への護送中に美濃国で病死しましたが、その子孫は赦免され、現地の有力者として再開発を主導し、やがて千葉氏や上総氏が台頭しました。

千葉 常胤(ちば つねたね)

源頼朝の挙兵に協力し、頼朝から父とも思うといわれた、鎌倉幕府創設の功労者

元永元年(1118)~建仁元年(1201)

桓武平氏。千葉常重の長男。千葉氏は、千葉荘を名字の地とする有力武士でした。長承4年(1135)に常胤は、父常重から相馬郡布施郷(現在の柏市)を継承します。常胤の布施郷領主の地位は、残された史料から当時の政治状況に翻弄されていくさまが知られ、その苦労が60歳を過ぎた常胤の源頼朝挙兵支持につながっていくと考えられています。

治承4年(1180)、源頼朝が挙兵し、石橋山の戦いで敗れたの後、相模国から房総に落ち延びて来ると、常胤はいちはやく頼朝を支持し、その鎌倉入部を支援しましました。このことに頼朝はいたく感激し、常胤を父のように思うと感謝したと伝えられています。

鎌倉幕府体制が整うと、頼朝は自身が署名した書状による指示等をやめ、幕府が発給する公文書による体制に統一しようとしますが、常胤は厳重な抗議をして、特別に頼朝からの書状を得ることを認められました。頼朝と常胤のような有力な在地豪族の親密な関係がうかがえるエピソードです。

佐倉市域にあった荘園の在地領主たち

印東氏(いんとうし)

平氏に味方し、没落

桓武平氏。両総平氏の族長である上総常澄の子常茂が下総国印旛郡印東荘を領し、印東次郎と称しました。常茂は、平家と結びつくことによって一族の長の地位を弟の上総広常と争っていました。

治承4年(1180)に源頼朝が挙兵した時、京にいた常茂は平家に味方し、上総広常の軍勢と戦い、討死をとげました。その後印東氏は印東荘の支配権を失い、わずかに所領を安堵された一族が御家人として存続しました。

白井氏(しらいし)

上総広常誅殺に連座して没落

桓武平氏、千葉氏一族。千葉常兼の子が下総国白井荘の現地支配者となり、白井次郎常親と称しました。

治承4年(1180)に源頼朝が挙兵すると、上総・下総に最も勢力のあった上総広常の軍勢に属していました。寿永2年(1183)に上総広常が源頼朝に誅殺されると、連座して白井庄の現地支配権は千葉常胤の手に移り、その後、千葉常胤の孫胤時が白井庄を支配し、白井氏を称しました。

臼井氏(うすいし)

鎌倉時代も御家人として命脈をつなぐ

桓武平氏、千葉氏一族。千葉常兼の子常康が臼井荘を本拠とし、臼井氏と称しました。

治承4年(1180)に源頼朝が挙兵すると、常康の孫成常・久常の兄弟は、上総・下総に最も勢力のあった上総広常の軍勢に属していました。寿永2年(1183)に源頼朝が上総広常を誅殺すると、千葉常胤が臼井庄を掌握しました。

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