井野長割遺跡国史跡指定20周年記念ワークショップを開催します
これであなたも考古学者!?縄文土器に残された痕跡から植物の種類を推理してみよう!

実際に植物考古学の分野で利用されている方法で、井野長割遺跡から出土した土器から、遺跡で生活が営まれたころの植物の痕跡をさぐってみませんか?
イベント概要
1.日 時 令和7年8月23日(土曜日)
第1部 10時~11時30分 第2部 13時30分~15時
2.会 場 佐倉市立井野小学校図書室
3.講 師 千葉大学大学院 杉本 亘 氏
4.参加費 無料
5.定 員 各部10人(合計20人)※多数時抽選
6.対 象 市内小中学校に通う小学4年生から中学生
7. 持ち物 上履き
8.申込方法 ちば電子申請システムから応募
9.締め切り ~8月13日(水曜日)23時59分まで
10.抽選結果 8月14日(木曜日)に抽選を行います。
8月15日(金曜日)以降、メール(bunka@city.sakura.lg.jp)にてお知らせします。
11.備考 校内に駐車場はございませんので、当日は公共交通機関をご利用ください。
対象以外のかた(保護者・小学3年生以下のご兄弟等)のご参加はできません。
(付き添いは可能です)
予めご了承ください。
ちば電子申請システム(第1部 10時~11時30分)の予約はこちらから
ちば電子申請システム(第2部 13時30分~15時)の予約はこちらから
植物考古学と植物圧痕
植物考古学とは
〇植物考古学とは、遺跡から出土する植物(種実、木材、花粉、デンプン粒、プラントオパールなど)から、その当時の人間がどのような生活をしていたのか、当時の環境はどのようなものだったのかを解明する、考古学の方法の一つです。
これらのデータを用いて、当時の農耕や採集、燃料や建材、また遺跡周辺の環境などを調べる研究が、今では世界各地で行われています。
〇ほとんどの植物や昆虫は、長年地中に埋まっていたことで分解され、消滅してしまいます。これらが遺跡で残るためには稀な条件下に限られ、多くの"普通"の遺跡ではかつて存在したはずの資料が失われているのが現状です。
〇そんな”普通”の遺跡で当時の植物について探るためには、一体どうしたらよいのでしょうか。
ここで活躍するのが、土器に残された穴、「圧痕」です。
植物圧痕とレプリカ標本
〇土器の表面をよく見ると、穴が空いていることがあります。
実はその穴は、粘土をこねて土器を作っているときに、植物の種実や昆虫・貝などが混ざり込み、土器を焼いたときに焼け落ちて空洞になったものです。
このような穴を「圧痕(あっこん)」と呼びます。
〇圧痕は人の目で見て見つかることもありますが、見えない奥の部分までより詳しく調べるため、レプリカ標本を作り、顕微鏡で観察します。
レプリカとは型をとってコピーした模型のことです。
今回は歯医者さんで使われるようなシリコーンを使ってレプリカを作成します。

土器を観察!表見て~

裏を見て~

圧痕発見!

シリコーンを使ってレプリカ標本を作るよ!

失敗しちゃったけどレプリカ標本完成!どんな植物かな?

縄文時代のアワに近いかも!
今まで昔の植物などの調査や研究をするためには、稀な条件下のある種の"特別"な遺跡から見つかる資料に限られていました。
土器の圧痕からレプリカ標本を作り、観察することで、今まで情報すら手に入れることが出来なかった"普通"の遺跡からも、植物の情報を得ることができるようになりました。
そのおかげで、その当時の人間がどのような生活をしていたのか、当時の環境はどのようなものだったのかを一部解明することができるようになったのです。
国史跡 井野長割遺跡
井野長割遺跡は、今からおよそ4千年から3千年前に営まれた縄文時代のムラです。
昭和44年の学校建設に伴う整地工事の際に発見されました。
縄文時代の盛土(人為的に土を盛り上げた痕跡)がきわめて良好に残っており、遺跡の学術的な価値が高いことから、平成17年3月2日付けで国史跡に指定されています。
3千年を経た現在でも、縄文時代の原風景とも言うべき景観を見ることができます。
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更新日:2025年06月23日