たばこと健康
1 たばこをやめられない理由
たばこをやめられないのは、「意志が弱いから」ではありません。
たばこに含まれる「ニコチン」には依存性があり、たばこをやめにくくさせています。
ニコチン依存症
ニコチン依存症とは、血中のニコチン濃度がある一定以下になると不快感を覚え、喫煙を繰り返してしまう疾患です。
ニコチンを摂取すると、ドパミンと呼ばれる快楽物質が放出され、その快楽により再び吸いたくなります。それを繰り返すうちに現れる「離脱症状」と呼ばれる禁断症状を避けるために、たばこがやめられなくなるのです。
2 たばこの健康影響
たばこの煙に含まれる有害物質
たばこの煙には約5,300種類の化学物質が含まれており、それらの中には70種類近くの発がん関連物質が含まれています。
喫煙は、肺がんを含めた多くのがん、心筋梗塞・脳卒中などの循環器疾患、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの呼吸器疾患、歯周病などの歯科・口腔外科疾患など、さまざまな病気の原因となっています。
喫煙している本人がなりやすいがんの種類(科学的に因果関係が明らかなもの)

国立がん研究センターがん情報サービス(厚生労働省ウェブサイト.喫煙と健康
喫煙の健康影響に関する検討会報告書;2016年.より作成)
◆関連サイト
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは?
COPDとは、従来、「慢性気管支炎」や「肺気腫」と呼ばれてきた病気の総称です。
たばこが原因で肺に炎症が起こり、肺の細胞が壊れ、呼吸に障害が起こる病気です。
身体を動かしたときに息切れを感じる労作性呼吸困難や、慢性の咳や痰が特徴的な症状です。
COPDの予防・治療で最も大切なことは「禁煙」です。
COPDの90%は喫煙が原因といわれているため、禁煙することが重要です。
禁煙は病気の進行を遅らせるための第一歩といえます。
COPDの症状

●階段の上り下りで息切れがする
●せきやたんが出る
●風邪が治りにくく、せきやたんが出る
●喘鳴がある。呼吸のたびに「ゼェゼェ」「ヒューヒュー」という音がする
これらのよくある症状がゆっくりと進行するため、発見が遅れがちになり、知らない間に重症化することが問題となっています。
また、進行すると少し動いただけでも息切れし、将来的に「酸素療法」が必要になったり、さらに進行すると呼吸不全や心不全を起こす恐れがあります。そのため、早期発見・早期治療が重要となります。
COPDは40歳以上の喫煙者に多くみられます。長期喫煙歴があり、せき・たん・軽い労作中の息切れなどの症状に心当たりがある方は、かかりつけ医に相談し、必要に応じて呼吸器科の専門医を紹介してもらいましょう。
世界COPDデー
毎年11月の第3水曜日は世界COPDデーです。
「一般社団法人GOLD日本委員会」では、COPDに関するセミナー等の情報を発信しております。
関連サイトよりご覧ください。
◆関連サイト
「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」(日本呼吸器学会ホームページ)
「スマート・ライフ・プロジェクト」COPD(厚生労働省ホームページ)
COPDに関すること、イベント等の情報はこちら(一般社団法人GOLD日本委員会)
3 禁煙サポート
禁煙相談(無料・要予約)
保健師が禁煙の相談を行っています。
禁煙外来の情報提供や、あなたに合った禁煙方法を一緒に考えます。
また、喫煙者のご家族や周囲の方への情報提供も行っています。お気軽にお問い合わせください。
★令和7年度の相談日はこちらからご確認ください。
禁煙外来の情報
一定の条件(下記参照)を満たせば、医療機関の禁煙外来で保険を使って12週間の禁煙治療を受けることができます。加熱式たばこも対象になります。
【保険で禁煙治療を受けるための条件】(4つのすべてを満たす場合に可能)
●ただちに禁煙しようと考えていること
●ニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(TDS)で5点以上、ニコチン依存症と診断された方
●35歳以上の場合、ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上であること
●禁煙治療を受けることを文書により同意していること
佐倉市の禁煙外来
禁煙治療を受けられる医療機関を紹介します。
医療機関によって、治療薬の入荷状況や外来時間等が異なります。
必ず事前に、治療が受けられるか等をご確認の上、ご受診ください。
医療機関名 | 電話番号 |
---|---|
聖隷佐倉市民病院(江原台) | 043-486-1155 |
古谷内科(井野) | 043ー487ー1811 |
佐倉内科・呼吸器クリニック(寺崎北) |
043ー312ー0827 |
※詳細につきましては、医療機関にお問い合わせください。
千葉県内・全国の禁煙治療に健康保険が適応できる医療機関
一般社団法人日本禁煙学会のホームページに、禁煙治療に健康保険が適応できる医療機関一覧が掲載されていますので参考にしてください。
◆医療機関情報
千葉県内の禁煙治療に保険が使える医療機関(一般社団法人 日本禁煙学会ホームページ)
全国の禁煙治療に保険が使える医療機関(一般社団法人日本禁煙学会ホームページ)
禁煙補助剤
禁煙補助剤を用いた禁煙方法についてご紹介します。
薬局で購入が可能な補助剤には、ニコチンパッチとニコチンガムがあります。
それぞれ、皮膚・口腔粘膜からニコチンを少量取入れ、ニコチン離脱症状を和らげるものです。

ニコチンガムは、禁煙開始時に離脱症状が現れた時に使用します。
1日の使用個数は、喫煙本数で異なり、3か月を目安に、使用個数をゼロにします。

ニコチンパッチは、8~10週間の間、1日1回上腕・背中・おなかのいずれかに貼ります。
◆関連サイト
禁煙のおくすりってどんなもの?(厚生労働省 e-ヘルスネット )
毎月22日は「禁煙の日」

毎月22日は「禁煙の日」です。
「禁煙の日」のシンボルマークは、22を2羽の白鳥(スワン)が寄り添う姿に見立てています。
寄り添う2羽の白鳥は、喫煙者とその協力者(パートナー)がともに禁煙に取り組む姿を表しています。
「スワンスワン(吸わん吸わん)で禁煙を!」が、禁煙の日の合言葉です。
この機会に、ご自身や周りの方々の健康のため、禁煙について考えてみましょう。
◆関連サイト
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更新日:2025年04月01日