佐倉市公園・緑地園内灯等外3施設照明設備LED化ESCO事業の実施に向けたサウンディング型市場調査 個別対話結果
佐倉市(以下「本市」という。)では、令和3年8月に、2050(令和32)年までに二酸化炭素の実質排出量ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」の実現に向けて取り組んでいくことを宣言しました。
しかしながら、公園や緑地の園内灯等といった照明設備をすべてLED化するには多額の費用負担等が生じるため、現時点では未LED化の照明が多くを占めています。
本市としましては、電気料や修繕料に係る財政負担、環境負荷の軽減を図るとともに、平成25年10月に採択され、平成29年8月に発効された国際条約「水銀に関する水俣条約」により、水銀灯ランプの製造及び輸出入が令和3年から禁止となったこと、全ての蛍光灯の製造等が令和9年末までに禁止されることとなったことから、照明設備のLED化改修を早急に実施していく必要があります。
そこで、LED照明の導入方法としてESCO事業の活用を検討するにあたり、事業化の方向性、導入可能性、改修内容等、様々な事項について、民間事業者の視点から、ご意見やご提案をいただきました。
※ESCO事業:Energy Service Companyの略称で、省エネルギー改修に掛かる経費を、改修後の光熱水費の削減分で賄う事業
1.実施期間
項目 |
日程 |
実施要領の公表 |
令和6年12月16日(月曜日) |
サウンディング調査参加申込 |
令和6年12月16日(月曜日)~令和7年1月24日(金曜日) |
サウンディング調査の実施(個別実施) |
令和7年2月4日(火曜日)~2月6日(木曜日) |
2.募集要項等
3.参加事業者数
2 事業者
4.いただいた御意見・御提案の概要
(1)ESCO事業導入の可否
・かつての主流は「一般競争リース」の手法であり、事業費は抑制されるが、地元活 用が難しいなどのデメリットがあった。その後の主流として、「プロポーザルリース」の手法となり、地元を入れるなど一般競争のデメリットを解消し、設計も含めた提案がなされるようになった。そして、近年ではESCO事業が主流となっている。発注条件として、ESCO事業は、市からの情報提供による調査設計込みでの発注になるので設計等は不要になる。
・ギャランティード・セイビングス契約は、購入するために当初事業費はかかるが、結果として総事業費が抑えられる。そのため、以前はシェアードが大半だったが、現在はギャランティードが主流になっている。これは、地方債が使えるようになって変わった。なお、地方債は今のところ来年度までの予定と聞いている。
・シェアード・セイビングス契約は、支出バランスはよいが、立て替える分、金利がかかるので総額は高くなる。
・ESCO事業の維持管理は、既設や増加分も含めた全灯数になり、増加分を追加しても維持管理費用はそれほど変わらない。
・ESCO成立可能性=点灯時間、改修コスト・施工しやすさになる。公園灯は電気料金削減効果が高いので、ESCOが成立する。事務所などの施設照明は、電気料金削減効果が公園灯のように高くはないので単独だとESCO成否ラインに近くなる。
・電気料金削減効果の大きい施設と、小さい施設を組み合わせてESCO事業を行う手法は妥当であると考える。
・公園灯と建物、屋外投光器も一緒に実施している事例もある。
・削減保証額の設定は、主に事業者の提案によるが、施設ごとではなく全体で設定しないと達成が厳しくなるので、そうした仕様としたほうが良い。
・LED化ESCO事業の市場性は大いにあると考える。
・ESCO事業は、競争入札に比べ、一元的に調査・設計・施工発注が可能なため、早期実施が可能である。
・一斉LED化により計画的な電気料金の削減やCO2削減が可能である。
・ギャランティード・セイビングス契約は初期費用が必要(改修工事費用)となるが、シェアード・セイビングス契約は総費用が高くなることから、ギャランティード・セイビングス契約のほうが費用が安くなる。
・コストの削減として、一括更新により、都度更新と比べ機器費や工事費等の圧縮、LED化による電気料金及び維持管理費の削減に寄与できる。
・公園灯は、200Wや400Wの水銀灯を多く使用していることから、LED化による電気料金や維持管理費の削減効果が見込める。
(2) 概算事業費等の算定等
・施設ごとに算出すると、ESCO事業が成立しなくなる場合もあるので一体として事業化したほうがよい。
・劣化したポールの交換を見込むのであれば、ポール1本交換した場合の金額に関する提案を事業者から求めたほうが良い。
・技術革新によりスマートライティング化が注目されているが、公園の電気料金契約は公衆街路灯A契約が多数を占めるため、スケジュール調光をしても電気料金の影響を受けないことからスケジュール調光やスマートライティング化はオーバースペックだと考える。室内照明の人感センサー導入が効率的と考える。
※スマートライティング化とは…従来の屋外照明設備で用いられている水銀灯、ナトリウム灯をLED化するだけでなく、無線ネットワーク装置や環境センサーを取り付け、照度調整により更なるCO2削減を図るもの。
(3) 改修内容
・管理システムを活用したほうが、効率的な維持管理が可能になる。
・管理プレートを各機器に添付することにより、利用者からの通報が可能になる。
・古い照明設備でポールが劣化している場合は、現行器具より軽量化されるのでポールへの負担は軽減するが、変えられるかどうかは、追加で詳細協議にて提案するようになる。
・劣化ポールの交換は、市から交換してほしい本数や割合を示しておく方法もあるが、実施するかどうかは事業者側の判断になると思う。
・デザインが凝っている照明器具について、照明器具ごと変えるか、ランプ交換のみとするかといった対応方法が明確なのであれば「提案に含むこと」とした方がよい。なお、実際にデザイン重視エリアの交換を行った際に、住民より「勝手に変えないでほしい」という意見が多く、市が何度も説明に行って困難化した事例もあったと聞いている。
・施設の場合、交換できる時間帯を調整しながら対応していくことが可能。
・ランプ交換によるLED化ではなく、原則として器具本体交換によるLED化が推奨されている。なお、デザイン灯など器具交換によるLED化が困難な場合はランプのみの交換が良いと思う。
・改修方法として、灯具(グローブと本体)と安定器を撤去し、灯具(本体)と電源ユニット(点灯ユニット)を設置する方法を提案する。
・老朽化等によりブレーカーや配線も交換する必要がある場合は別途協議になる。
・倒壊のおそれがあるポールの建て替えを仕様に盛り込んでいる自治体もある。
・管理プレートがあったほうが管理しやすい。また、専用システムを構築するかは検討が必要である。
・管理プレートにコールセンターの電話番号を入れることも可能。ただし、維持期間終了後は管理プレートをすべて外す必要がある。
・デザイン灯のLED化は、器具交換が難しいので(同等の対応器具がない)ランプのみの交換になる。また、デザイン灯器具を残すことにより、地元の理解も得られると思う。
・維持管理について。既存のLED交換済みの照明について、維持管理対象とするかしないか。管理プレートにて既存のLED灯か、事業でLED化したものか判別することはできるが、維持管理範囲などで協議が必要になってくる。
(4) スケジュール等
・スケジュールについて、調査設計施工に1年間というのは可能。今回の事業規模より大きいものも調査設計施工に1年間で対応した事例もある。
・完了検査を考えると2月末工期としたほうが良いと思う。
・維持管理の期間は9割以上が10年になっているのではないか。また、削減額が収まらない場合は13年となるケースもある。
・契約までの期間は、調査準備、現地調査、詳細協議等を経る期間を見越して約5か月程度必要と考える。
・改修工事期間は、機器納期、改修工事の期間、照明台帳作成などを考慮し、契約締結から工事完了までは約8か月間程度必要と考える。
・蛍光灯も生産中止になっており、また人手不足もあり、来年以降LEDの生産が追い付かなくなるのではないかと懸念している。ゆえになるべく早く対応したほうが良い。
(5) 効果検証
・照度確認の方法について、全数を照度測定することは困難な為、測定箇所を数か所に絞って改修前後の照度測定を行う方法が良いと思う。
・完了検査の方法について、同じく全数を検査することは困難なので、検査箇所を数か所に絞って立会検査をする方法が適していると考える。
(6) その他
・公園と3施設がそれぞれ分かれているが、契約は1本で契約することになるのではないか。
・募集時の事業化に向けて必要となる資料としてはサウンディング調査時の資料のほかに主なポールの仕様もあったほうが良い。
・照明の耐用時期について、10年が適正交換時期、耐用の限度が15年になる。
・ESCOサービス(維持管理)の期間が10年程度と設定されているが、期間が長くなるほど維持管理費が発生することから、ギャランティーESCO事業としてみれば3年または5年程度が適正期間と考える。3年または5年程度が適正と考える理由として、削減予定額を達成できなかった場合の改善期間が必要だが、本事業は照明LED化のため、長期間の改善期間は不要と考えるため3年または5年程度が適切と考える。
・公園の見取り図、園内灯等の位置図は提供してほしい。
・3施設について、照明器具の使用状況や点灯時間を仕様に追加してほしい。点灯時間を把握しないと削減効果を算出することが難しい。
5.今後について
今回のサウンディング調査によって、ESCO事業の方向性、導入可能性、スケジュール、効果検証等をはじめとした多くの有益な情報、事業の手法を提供していただきました。
今後は、これらの提案内容を参考にさせていただき、事業化に向けた具体的な公募内容を作成してまいります。
この記事に関するお問い合わせ先
[都市部] 公園緑地課
〒285-8501 千葉県佐倉市海隣寺町97番地
電話番号:043-484-6165
ファックス:043-485-0108
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更新日:2025年03月31日