【上勝田の盆綱】 〔佐倉市指定文化財 ・国 記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財〕
【上勝田の盆綱】 〔記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財〕

佐倉市の指定無形民俗文化財である「上勝田の盆綱」は、国の文化審議会からの答申(平成27年1月16日)を経て、平成27年3月2日付で「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選択されています。
- 名称
東関東の盆綱 - 文化財の所在地
茨城県、千葉県
文化財の概要
盆綱行事は、茨城県の霞ヶ浦周辺から千葉県の印旛沼周辺にかけて分布する盆行事の一つで、墓地と家々の間を子どもたちが藁(わら)で作った綱を曳いて歩き、先祖の霊を送迎する習俗です。
佐倉市の上勝田では毎年8月7日から龍の形に綱を作り、13日の夕方に地元の少年が主役となり行われます。各戸をまわり家々に仏様を届けます。最後に妙勝寺の境内で綱が切れるまで引っ張り合いながら回り、千切れた綱を寺の前の川に流して行事は終わります。(現在は環境保護の観点から、川に流していません。)
文化財の特色
盆綱は、集落単位に行われる盆行事の一つで、火あかりをもって先祖の霊を送り迎えする家単位の盆行事と異なり、我が国の民間信仰を考える上で重要です。
実施期間
毎年8月13日から15日
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財について
無形の民俗文化財
四季折々の祭りや年中行事、人の一生の節目に営まれる人生儀礼などの風俗慣習や、神楽や田楽、風流などの民俗芸能、そして、生活や生業に関わる製作技術等の民俗技術が無形の民俗文化財です。これらは、日本の風土の中で生まれ、世代から世代へと繰り返し伝えられてきた無形の伝承です。これらのうち、特に重要なものを、重要無形民俗文化財に指定し、国指定以外の無形の民俗文化財のうち、特に必要のあるものを記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財に選択し、保護を図っています。
今後について
盆綱は、盆中の先祖祭祀の一端を示すだけでなく、用いる藁綱が龍や蛇に仮託されるなど、水神信仰的な要素もみられ、注目されます。しかし、衰退、変容の恐れがあることから、早急に記録を作成する必要があり、今後、県と協力しながら、計画的に映像・報告書等により記録化を進めてまいります。
龍の形の藁綱を和田ふるさと館歴史民俗資料室でご覧になれます。
更新日:2022年06月01日