真相の解明と損害の回復
真相の解明
移転補償金15億3200万円の使途解明
佐倉市では、志津霊園問題の解決を目指して、協力会と昭和63年6月に締結した勝田台・長熊線築造にかかる費用負担協定に基づき、協力会へ支出した補償費総額15億3200万円の協力会による使途について、平成4年から調査を行ってきました。
1.領収証に基づいた調査
協力会から提出された領収証に記載された相手方、金額から、支払先が確認されたものは、約13億9100万円、確認できなかったものは約1億4100万円となりました。
支払者 | 支払先または使途 | 金額 |
---|---|---|
志津霊園墓地移転対策協力会 | 本昌寺 | 1億5000万円 |
志津霊園墓地移転対策協力会 | 石の宴株式会社不動 | 4億円 |
志津霊園墓地移転対策協力会 | 石橋測量設計株式会社 | 2000万円 |
志津霊園墓地移転対策協力会 | 移転先代替地買収(土地等権利者) | 約3億1300万円 |
志津霊園墓地移転対策協力会 | 協力会諸経費(開発負担金等) | 約1100万円 |
志津霊園墓地移転対策協力会 | 芦澤建設株式会社 | 約2億4200万円 |
志津霊園墓地移転対策協力会 | 佐倉市(合意解約による返還金) | 約2億5500万円 |
- 確認金額 合計約13億9100万円
- 未確認金額 約1億4100万円
- 総合計 15億3200万円
2.確認調査の結果に基づく解明作業
領収証に記載された相手方、金額から、実際に協力会から支払いが行なわれたのかどうか、また、都市計画道路を建設するために、本昌寺の墓地を移転するという目的に従った使われ方をしたのかどうか、民事訴訟、調停等の手続きを含めた中で調査を進めてきました。その結果、補償費総額15億3200万円のうち、有効に使われた金額は約5億6795万円、佐倉市が返還を受けたもの及び回収されたものの金額は約4億2494万円となりました。
このほか、民事訴訟での佐倉市勝訴の判決確定により、5億2885万円が佐倉市の債権金額として確定しています。
なお、これらの解明により確定した金額と、補償費総額15億3200万円との差額約1026万円については、最終的に全く使途が不明という結果になりました。
15億3200万円の流れと使途解明結果
【佐倉市の支出金】 15億3200万円
- 土地購入費(上志津現墓地) 7億5520万円
- 墓石等移転補償費 7億7680万円
【協力会のお金の使われ方】(領収証に基づく使途確認)
- 移転代替地買収費 3億1343万円
- 移転代替地測量・協力会経費 3235万円
- 移転代替地造成費 2億4217万円
( うち、造成工事和解金 2000万円 ) - 協力会から佐倉市への返還金 2億5494万円
- 本昌寺所持金 1億5000万円
- 石材会社墓石移転工事費 4億円
- 使途不明額 1億3911万円
【佐倉市による解明結果】(訴訟確定による解明金額)
- 有効に使われた金額 5億6795万円
- 佐倉市への返還金または回収金 4億2494万円
- 訴訟による佐倉市の債権確定額 5億2885万円
うち、石材会社に 4億円 - うち、協力会前会長、前副会長に 1億2885万円
- 最終的な使途不明金額 1026万円
損害の回復
移転補償費15億3200万円に対する回収(返還金、調停和解金、民事執行回収金(損害賠償・請負代金)、相殺による回収金)
佐倉市は、平成4年から真相の解明、損害の回復を独自の調査や交渉で取り組んできました。しかし、捜査権や強制的な権限を持たない市独自の調査には限界があるため、平成7年から、民事訴訟によって真相の解明、損害の回復に取り組んできました。
1.返還金(協力会・本昌寺)
- 佐倉市と協力会は、平成7年12月に移転補償金15億3200万円のうち2億5494万2014円を合意解約しました。この合意解約に伴い、2億5494万2014円が佐倉市に返還されました。
- 平成16年8月、「基本合意書」に基づき、本昌寺から佐倉市へ補償費1億5000万円が返還されました。
返還金合計4億494万2014円
2.調停和解金
平成10年3月、佐倉市と芦澤建設株式会社は、中央建設工事紛争審査会における調停で和解し、それに基づき、平成12年3月末までに芦澤建設株式会社から佐倉市へ和解金合計2000万円が支払われました。
3.民事執行回収金(損害賠償・請負代金)
- 佐倉市が、損害回復を図るため、平成7年から順次行ってきた民事訴訟(損害賠償請求・請負代金返還請求)におきまして、平成13年に第一審で勝訴したことに基づき、換金性のある資産が判明した協力会前副会長及び石材会社に対して、平成14年に民事執行手続き(債権差押え及び動産競売)を実施しました。その結果、209万5425円を回収しました。
- 平成20年に換金性のある資産が判明した石材会社に対して民事執行手続き(債権差押え及び動産競売)を実施し127万6415円を回収しました。
- 平成23年に資産が判明した協力会前副会長に対して民事執行手続き(債権差押え)を実施し8万2147円を回収しました。
民事執行回収金合計345万3987円
4.土地譲渡代金返還金から佐倉市債権への充当分としての相殺による回収金
次項の移転補償費15億3200万円以外での回収で述べる、土地譲渡契約解除に基づく土地譲渡代金返還金からの相殺後の残金1067万1972円については、佐倉市債権への充当分として15億3200万円に関する回収金の一部として位置付けています。
5.本昌寺墓地使用者に対して支払う移転補償金からの相殺による回収金
平成25年に本昌寺墓地使用者(協力会前会長)に対して支払う移転補償金から市債権とを相殺して、50万8100円を回収しました。
これらにより、平成27年3月末時点で、15億3200万円に対する佐倉市の回収金額は、4億3957万6073円となっています。
年月 | 相手方 | 項目 | 金額(円) | 概要 |
---|---|---|---|---|
平成7年12月 | 協力会 | 返還金 | 2億5494万2014 | 協力会との合意解約に基づく返還金 |
平成10年3月 | 芦澤建設株式会社 | 調停和解金 | 2000万 | 芦澤建設株式会社との調停成立による和解金(平成10年から平成12年) |
平成14年10月 | 協力会前副会長及び石の宴株式会社不動 | 民事執行回収金 | 209万5425 | 民事訴訟判決(市勝訴)に基づく民事執行手続きによる回収金(債権差押え、動産競売) |
平成16年5月 | 石の宴株式会社不動 | 相殺による回収金 | 1067万1972 | 民事訴訟判決(市勝訴)の効果として土地譲渡契約解除に伴う相殺による回収金(市債権への充当分) |
平成16年8月 | 本昌寺 | 返還金 | 1億5000万 | 基本合意書に基づく本昌寺からの返還金 |
平成20年11月 | 石の宴株式会社不動 | 民事執行回収金 | 127万6415 | 民事訴訟判決(市勝訴)に基づく民事執行手続きによる回収金(債権差押え、動産競売) |
平成24年3月 | 協力会前副会長 | 民事執行回収金 | 8万2147 | 民事訴訟判決(市勝訴)に基づく民事執行手続きによる回収金(債権差押え) |
平成25年11月 | 協力会前会長 | 相殺による回収金 | 50万8100 | 本昌寺墓地使用者に対して支払う移転報償金からの相殺による回収金 |
合計 | 4億3957万6073 | なし |
移転補償費15億3200万円以外での回収(土地譲渡契約解除に基づく相殺による回収金、最終合意書に基づく解決金等)
1.土地譲渡契約解除に基づく相殺による回収金
移転補償金15億3200万円の使途とは別として、民事訴訟(建物収去土地明渡請求訴訟)の第二審で佐倉市の勝訴判決が確定したことにより、石材会社(石の宴株式会社不動)に対する市有地の譲渡契約が解除となりました。
この市有地は、志津霊園区間に道路が開通することにより分断される、志津霊園3か寺(興聖寺、真徳寺、専福寺)の管理棟及び駐車場として使用することで、佐倉市が同会社へ有償で譲渡したものですが、同会社が譲渡契約条項に違反した使用をしていたため、同土地上に建てられた建物の撤去と市有地の明渡しを求めて民事訴訟を提起したものです。
この土地譲渡契約が解除されたことにより、佐倉市が受領した土地代金1億2978万7520円を同会社へ返還する際、同訴訟勝訴による建物解体撤去工事費用1204万350円を控除後、契約書解除条項に基づく違約金2595万8000円及び土地使用料相当額8111万7198円の合計1億707万5198円を相殺し、志津霊園問題での損害の回復という位置付けにより回収しました。
このほか、返還金残金1067万1972円については、同会社に対する別の民事訴訟(請負代金返還請求)における(注釈)佐倉市債権への充当分として15億3200万円の支出に関する回収金の一部として、併せて相殺しました。
(注釈) 佐倉市債権…協力会が石材会社へ支払った墓石移転工事費用4億円について、佐倉市が返還を求める訴訟を提起し、佐倉市勝訴判決が確定したことによる確定債権
土地譲渡契約解除に基づく相殺による回収金合計1億707万5198円(移転補償費15億3200万円以外での回収)
2.最終合意書に基づく解決金
移転補償金15億3200万円の使途とは別として、平成24年9月、「最終合意書」に基づき、本昌寺から佐倉市へ解決金1000万円が支払われました。
3.和解合意書に基づく解決金
平成26年7月、「和解合意書」に基づき、興聖寺、真徳寺、専福寺から佐倉市へ解決金2000万円が支払われました。
4.最終合意書に基づく支払金
移転補償金15億3200万円の使途とは別として、平成26年11月、「最終合意書」に基づき、本昌寺から佐倉市へ支払金666万8045円が支払われました。
5.寄附金
- 平成9年5月から同年7月まで、平成9年当時における、元、現市職員等(94名)から1880万円の寄附金がありました。
- 平成23年3月、上志津南台土地区画整理組合から80万円の寄附金がありました
寄附金合計1960万円
6.預金利息
平成6年10月から平成26年度分までの預金利息の合計は、2770万609円となりました。
これらにより、平成27年3月末時点で、15億3200万円以外に対する佐倉市の回収金額は、1億9104万3852円となっています。
年月 | 相手方 | 項目 | 金額(円) | 概要 |
---|---|---|---|---|
平成16年5月 | 石の宴株式会社不動 | 相殺による回収金 | 1億707万5198 | 民事訴訟判決(市勝訴)の効果として土地譲渡契約解除に基づく相殺による回収金 |
平成24年9月 | 本昌寺 | 本昌寺解決金 | 1000万 | 最終合意書に基づく本昌寺からの解決金 |
平成26年7月 | 興聖寺、真徳寺、専福寺 | 興聖寺、真徳寺、専福寺解決金 | 2000万 | 和解合意書に基づく興聖寺、真徳寺、専福寺からの解決金 |
平成26年11月 | 本昌寺 | 本昌寺支払金 | 666万8045 | 最終合意書に基づく本昌寺からの支払金 |
なし | なし | 寄附金 | 1960万 | 勝田台・長熊線の建設のため寄附された寄附金 |
なし | なし | 預金利息 | 2770万609 | 平成6年10月から平成26年度分までの預金利息 |
合計 | 1億9104万3852 | なし |
これらすべての回収された金銭6億3061万9925円については、勝田台・長熊線(志津霊園関連区間)の建設のための財源を明確にするため、平成8年3月に設置した「勝田台・長熊線基金」へその建設の原資として積み立てています。
真相の解明・損害の回復にかかる事件一覧
真相の解明・損害の回復にかかる事件一覧<平成25年3月末現在>
事件名等 | 審理等の機関 | 提起等の日 | 相手方 | 状況 | 審理等 回数 |
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告発 | 千葉県警察・千葉地方検察庁 | 平成6年6月10日 | 協力会前会長、前副会長 | 不起訴(嫌疑不十分) 平成8年3月6日付通知 |
- |
審査請求 | 千葉検察審査会 | 平成8年3月21日 | - | 不起訴不当 平成8年7月31日付通知 |
- |
再判断 | 千葉地方検察庁 | - | 協力会前会長、前副会長 | 不起訴(嫌疑不十分、時効完成) 平成9年5月19日付通知 |
- |
事件名等 | 審理等の機関 | 提起等の日 | 相手方 | 状況 | 審理等 回数 |
---|---|---|---|---|---|
請負代金返還申請 | 中央建設工事紛争審査会 | 平成8年7月5日 | 芦澤建設株式会社 | 調停成立 平成10年3月26日 |
9 終了 |
請負代金返還請求調停申立事件 | 千葉簡易裁判所 | 平成8年7月8日 | 石の宴株式会社不動 | 調停不成立 平成9年1月28日 |
3 終了 |
損害賠償請求事件 | 千葉地方裁判所 | 平成7年12月26日 | 協力会前会長、前副会長 | 佐倉市、第一審勝訴 平成13年12月27日 |
34 終了 |
東京高等裁判所 | 平成14年1月 | 協力会前会長、前副会長 |
|
2 終了 | |
千葉地方裁判所 | 平成24年8月7日 | 協力会前会長 | 佐倉市、勝訴確定平成24年10月19日 | 1 終了 | |
建物収去土地明渡請求反訴事件 | 千葉地方裁判所 | 平成8年12月27日 | 石の宴株式会社不動 | 佐倉市、第一審勝訴 平成13年12月27日 |
23 終了 |
東京高等裁判所 | 平成14年1月 | 石の宴株式会社不動 |
|
2 終了 | |
請負代金返還請求事件 | 千葉地方裁判所 | 平成9年2月3日 | 石の宴株式会社不動 | 佐倉市、第一審勝訴 平成13年12月27日 |
27 終了 |
東京高等裁判所 | 平成14年1月 | 石の宴株式会社不動 |
|
2 終了 |
この記事に関するお問い合わせ先
[土木部] 道路建設課
〒285-8501 千葉県佐倉市海隣寺町97
電話番号:043-484-6155
ファックス:043-486-2505
更新日:2022年06月01日