令和7年2月佐倉市議会定例会 所信表明
本日、ここに令和7年2月定例会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましてはご出席を賜り、心から感謝申し上げます。
本定例会の開会に当たりまして、私の所信の一端を申し述べ、本年の市政運営に対し、議員各位並びに市民の皆さんのご理解とご協力を賜りたいと存じます。
さて、佐倉市市制施行70周年の節目となった令和6年は、市内に、たくさんの若い力が芽吹き、輝き始めた年であり、将来に希望の持てる、「持続可能なまち・佐倉」の実現に向け、新たな一歩を踏み出す転機になったものと確信しております。
その一つが、2月に締結した市内5つの県立学校との包括連携協定でございます。
70周年記念の主要事業となった「記念式典」や「佐倉青春文化祭」が盛会裏に終えることができたことは、これらの学校に通う生徒の皆さんが、若者ならではの発想とその行動力を活かし、主体的に取り組んでいただいた成果であり、本市喫緊の課題である、少子高齢化、人口減少の解消に向けたヒントを示唆してくれたものと考えております。
ご参加いただきました生徒の皆さん、ご指導いただきました教職員の皆さん、そして、様々な形でご支援いただきました関係者の皆さんに対しまして、この場をお借りいたしまして、あらためて、御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
一方、社会全体を俯瞰してみますと、物価高騰や気候変動など、極めて広範な課題が山積しており、国や千葉県、周辺自治体といった公共機関はもとより、民間企業や学術機関など、多様な主体と連携した取組の重要性を再認識したところでございます。
特に、地球規模での取組が重要となる気候変動への対応につきましては、まずは佐倉市自らが模範を示すべきとの考えに基づき、県内市町村では初めてとなる『佐倉市気候変動適応センター(気候変動対策室)』を設置し、「持続可能な開発のための教育」、いわゆるESDを市内小中学校で開始するなど、国立環境研究所や農研機構といった、関係機関と連携した様々な取組に着手したところでございます。
これら多角的、多面的な取組を通して、本市の人材育成を図り、市制施行70周年のキャッチフレーズでもある「これからも、咲く佐倉」の実現に向け、市民の皆さんと共に、引き続き、オール佐倉で取り組んでまいります。
また、人口減少や少子高齢化の進展に加え、物価高騰などの影響により、市の財政状況はさらに厳しくなることが見込まれているところでございます。
そのような中においても、佐倉市の将来都市像である「笑顔輝き 佐倉 咲く みんなで創ろう「健康・安心・未来都市」」を実現していくためには、戦略的にまちづくりを進めていく必要がございます。
そこで、令和6年度からスタートいたしました第5次佐倉市総合計画中期基本計画に位置付けた2つの重点施策に沿って、令和7年度の主な取組について、ご説明申し上げます。
初めに、重点施策の1つ目、「地方創生の取組」に関する主な取組について、4つの重点戦略ごとに申し上げます。
1つ目の重点戦略は、「地域経済の活力増進を図り、魅力的な『しごと』に就ける機会の提供」でございます。
全国的に労働人口が減少する中、地域経済の活性化を図り、市民の皆さんが魅力的な仕事に就けるよう、企業誘致助成金などに加え、市街化調整区域のうち、交通の利便性が高いインターチェンジ周辺等の土地利用の促進を図り、官民連携による、新たな産業用地の検討や企業立地支援の取組を引き続き進めてまいります。
また、様々な観点で多様性が求められる現代において、働き方や人材の多様化への対応が重要であり、中でも誰一人取り残さない社会実現に向けた障害者の雇用環境の改善と確保が重要と考えますことから、よもぎの園の改修等を進めてまいります。
2つ目の重点戦略は、「佐倉の魅力を発信し、『ひと』の流れをつくり定住につなげる」でございます。
佐倉の魅力を市内外に向けて効果的に発信するため、フィルムコミッションやSNSを通じたシティプロモーションに力を入れてまいります。
また、佐倉の魅力をより一層高めるため、観光Wコア構想に基づき、佐倉ふるさと広場の拡張整備について進めるとともに、印旛沼・印旛放水路かわまちづくり計画に基づく、千葉市・八千代市との連携事業を、併せて展開することで、印旛沼流域の歴史・自然等が感じられる回遊性が高い水辺空間の創出を進めてまいります。
観光Wコア構想のもう一方の核、城下町エリアでは、旧今井家住宅について民間事業者による飲食店営業等が開始される予定でありますとともに、旧平井家住宅の耐震補強工事等を進めてまいります。
併せて、成田国際空港株式会社とも緊密に連携し、国内外からの観光客の増加を図ってまいります。
なお、佐倉の子どもたちの才能が開花する教育施策をより一層推し進めるため、教育総務課内に、教育施策推進室を設置し、子育ち環境の充実を図るとともに、まちの魅力、強みの増進につなげる施策を展開してまいります。
併せて、学校教育及び教育環境の充実が図れるよう、幼保小が連携し、一貫した指導・支援を行うための幼保小架け橋プログラムの構築を進めてまいりますとともに、様々な状態の児童・生徒の成長をサポートするため、新たに市内全中学校に教育支援センターを設置するとともに、校外にも新たに「ルームさくら臼井教室」の設置を進めてまいります。
また、昨年、市制施行70周年記念事業として開催し、盛会裏のうちに終了できた、「佐倉青春文化祭」について、これからのまちづくりの主役となる若者たちが活躍できる機会として、引き続き、開催してまいります。
さらに、市内小中学校施設の安全性を確保するための計画的な改修や、小中学校の給食の質・量を確保し、おいしい給食を児童・生徒に提供するため、給食食材のうち、お米とパンにつきましては、公共で調達し、物価高騰にも対応してまいります。
加えて、佐倉市に定住していただける方を増やしていくため、住宅取得に係る支援についても積極的に進めてまいります。
3つ目の重点戦略は、「市民の結婚・出産、子育ての希望を叶える」でございます。
市民の皆さんの結婚へとつながる機会を提供するため、佐倉市婚活支援協議会と連携し、魅力ある婚活イベントを継続するとともに、結婚相談を実施し、希望する方が幸せな結婚へとつながるよう、支援してまいります。
また、子育て世代に選ばれるまちとなるため、「こども家庭センター」を中心に、妊産婦や子ども、子育て家庭に対する切れ目のない相談・支援を積極的に進めてまいります。
加えて、プレーパークなど民間主体のこどもの居場所づくりに対する活動支援や、待機児童が発生している間野台学童保育所の拡張整備、放課後のこどもたちに安全で安心な居場所を提供するため、放課後子ども教室の運営を進めてまいります。
また、来年度は、戦後80年を迎えますが、戦争を経験した世代の方々の高齢化が進み、戦争の記憶や平和の尊さを伝承する機会が減少しておりますことから、新たに小中学生を対象にした平和講演会等の開催を進めてまいります。
さらに、少子化の要因が複雑化する中で、一元的かつ組織横断的な対応を行うため、企画政策課内に、人口減少・少子化対策の調整に係る事務を位置付け、今後は、企画政策課が調整役となって、関係部署間の連携促進を図り、当該課題の解決に向けて取り組んでまいります。
4つ目の重点戦略は、「安心して笑顔で暮らし続けられる『まち』をつくる」でございます。
今後も市民の皆さんが住み慣れた地域で安心して生活し続けていくため、介護に従事する方々への資格取得支援等や、介護施設の整備を進めてまいります。
また、市民の皆さんが利用されます公共交通機関の継続性を確保するため、バス事業者やタクシー事業者に対して、二種免許取得費用の助成を進めてまいります。
さらに、安全・安心な道路環境の保全を図るため、市民の皆さんの関心が高く、生活に根差した、生活道路や通学路の整備、区画線の修繕などの交通安全施設の整備について、よりいっそう注力してまいります。
加えて、大規模災害から市民の生命・財産を守るため、地域防災計画の見直しを進めていくとともに、河川の改修や、調整池の改修、妊産婦等を受入対象とする指定福祉避難所「西部保健センター」の備蓄物資として液体ミルクやおむつ等の購入など、災害に備えた体制整備を強化してまいります。
この他、持続可能な行財政運営を進めていくため、公共施設再配置方針等を踏まえた公共施設の再配置の検討と、資産経営課内に新庁舎準備室を設置し、今後の新庁舎のあり方について検討を進めてまいりますとともに、オンライン申請等のデジタル技術を活用した行政サービスの提供を進めてまいります。
次に、重点施策の2つ目、「気候変動への対応」に関する主な取組について、申し上げます。
昨年の4月に、千葉県内の市町村では初となる、気候変動対策室を設置し、国や県等の関係機関と連携しながら、気候変動対策に取り組んでまいりましたが、引き続き、第1期気候変動対策行動計画に基づき、各対策に取り組んでまいります。
まず第一に、「市民意識の醸成」に力を入れてまいります。
気候変動対策は、市民一人ひとりの理解と協力が不可欠であるため、広報紙やSNSなどの多様な情報媒体を活用し、気候変動に関する情報を発信してまいりますとともに、引き続き、学校の授業等に、気候変動に関する学習(ESD)を取り入れてまいります。
この他にも、イベントを通じて、市民の皆さんに広く、気候変動の現状とその影響についての認識を深めていただく機会を提供してまいります。
次に、「適応策の推進」にも力をいれてまいります。
佐倉市は、印旛沼を擁する下流域であるとともに、近年の異常気象により、洪水や熱中症のリスクが高まっているため、佐倉里山自然公園などの里山環境の保全や田んぼダム協力者への支援、クーリングシェルターや「さくら涼み処」の設置などの取組を進めてまいります。
さらに、「緩和策の推進」として、温室効果ガスを削減し、気候変動を抑制するため、佐倉里山自然公園をはじめとする里山や森林の保全・整備、公園の植栽などの緑化の推進を図ってまいりますとともに、住宅用省エネルギー設備等の導入支援や公共施設などにおけるESCO事業などを進めてまいります。
佐倉市の未来を守るため、「緩和策」と「適応策」について、政策連携や地域連携など、多様な連携強化を図り、効果的・効率的に進めてまいります。
以上、主な施策の考え方について申し上げました。
これらの施策を優先的に推進し、未来に希望の持てる、持続可能な佐倉市を、皆様と築き上げてまいる所存でございます。
本年も、本市に携わるすべての方々に感謝の気持ちを忘れずに、「オール佐倉」でまちづくりを推進してまいりますので、改めて、皆さんのご理解とご協力を賜りますようお願いいたしまして、令和7年の私の所信といたします。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
この記事に関するお問い合わせ先
企画政策部 秘書課(秘書班)
〒285-8501 千葉県佐倉市海隣寺町97
電話番号:043-484-6100
ファクス:043-486-2509
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更新日:2025年02月27日