消防団の重要性
近年、消防署や消防施設の充実に伴って、「今の時代に消防団は必要ないのでは?」という声が聞かれるようになりました。
それは本当でしょうか?
いくつかの点から、消防団が存在することのメリットついてご説明させていただきます。
- 経済的なメリット
- 地域的なメリット
経済的なメリット
火災現場で行われる消防活動は、消火活動だけではありません。付近の交通整理を行う者、消火栓や防火水槽などの水利を確保する者、現場周辺の住民に対して避難誘導を行う者、また、鎮火後に再び発火するおそれがある場合に引き続き監視を行う者など、実際の火災現場では想像以上に多くの人手が必要になります。
また、全国的に多発している山火事や大地震、台風や集中豪雨などの風水害による被害を思い出してください。これらの大規模な災害が発生した場合には、人命救助や捜索などのための活動を行わなければならないため、さらに多くの人員が必要になります。
これらの活動の全てを消防本部や消防署などの常備消防組織が担うとした場合、現在の何倍もの消防職員を常に配備しておかなければなりません。その維持などにかかる経費は莫大なものになってしまいます。
地域的なメリット
「災害が起きても自分だけは大丈夫」「いざとなれば救助隊が助けてくれる」と思ってはいませんか?
いくら消防署などの常備消防が充実していても、大地震などが発生して道路が寸断されてしまえば、救助に向かうことすら困難です。また、大規模な災害の場合、被害が出るのが1箇所とは限りません。災害発生から救助隊が自分たちを助けにくるまでには、相当な時間がかかると思って間違いありません。
そのような場合、頼りにできるのは自分と家族、そして同じ地域に住む住民同士だけです。
消防団は地域の住民によって構成され、地域で活動する組織です。そのため、現場付近の地理的な状況や住民の家族構成など、それぞれの地域の実情に明るく、いざというときに迅速な活動が期待できます。
更新日:2022年06月01日