アルコールとうつ病の関連

飲酒には一時的に緊張を和らげたりする効果があることから、気分を安定させるためにアルコールが用いられることもあります。しかし中長期的には、過度の飲酒は絶望感や孤立感を強めたり、他者だけでなく自分自身への攻撃性を高めたりします。
そのため、うつ病の人が飲酒を続けていると、うつ病が悪化してしまうことがあります。それがさらなる大量飲酒につながり、最終的には自殺行動に至ってしまう場合もまれではありません。「アルコールとうつ病と自殺」を「死のトライアングル」と呼ぶこともあり、とても関連が深いのです。
下表で飲酒の適量を確認し、日頃から適量範囲内での飲酒を心がけましょう。また、毎日飲酒している場合は、週2日程度の休肝日を設けることをおすすめします。
(注意)ただし、うつ病治療中の場合には医師などと相談のうえ、飲酒は極力控えてください。
ビール (5度) |
日本酒 (15度) |
焼酎 (25度) |
缶酎ハイ (7度) |
ワイン(12度) | ウィスキー (43度) |
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1日の適量 |
500ml (中ビン1本) |
180ml (1合) |
100ml |
350ml |
200ml (グラス2杯) |
60ml (ダブル1杯) |
〈留意点〉
1) 女性は男性よりも少ない量が適当である
2) 少量の飲酒で顔面紅潮を来す等アルコール代謝能力の低い者では通常の代謝能を有する人よりも少ない量が適当である
3) 65歳以上の高齢者においては、より少量の飲酒が適当である
4) アルコール依存症者においては適切な支援のもとに完全断酒が必要である
5) 飲酒習慣のない人に対してこの量の飲酒を推奨するものではない
睡眠薬の代わりに飲酒していませんか?
国民の4人に1人が不眠を抱えているといわれるほど、多くの人が不眠に悩んでいます。そして、不眠の改善のために寝酒をしている人が少なくないのが現状です。
寝酒は睡眠の質を悪くします

寝酒は入眠を良くするものの、睡眠の深さが浅くなり、中途覚醒(睡眠の途中で目が覚めること)が増加したり延長したりします。
また、容易に耐性が形成されるため、アルコールの量を増やさないと眠れなくなってしまします。質の良い睡眠をとるためには、アルコールの力を借りないほうがよいでしょう。
アルコール依存症について
アルコール依存症は、自分の意志では飲酒をコントロールできなくなり、強迫的に飲酒行為を繰り返す精神疾患です。
アルコール依存症とうつ病は合併の頻度が高く、アルコール依存症にうつ症状が見られる場合や、うつ病が先で後から依存症になる場合などいくつかのパターンに分かれます。
習慣的な大量飲酒やアルコール依存は自殺の危険性を高めるといわれています。
アルコール依存症から回復するためには…
- 回復するためには、節酒ではなく、飲酒をやめるしかありません。
- 一人で悩まず、早めに専門機関に相談し、治療しましょう。
- 家族や周囲の人が、「依存症」についての正しい知識や、適切な対応方法を身につけておくことも大切です。
- 自助グループ(同じ問題を抱える者同士の集まり)に参加することが回復に繋がります。
相談窓口
千葉県精神保健福祉センター
- 内容 : 依存症(アルコール、薬物、ギャンブル)に関連する問題について相談ができます。
- 電話 : 043-307-3781 9時30分~16時30分(土日祝日、年末年始を除く)
お問い合わせ
佐倉市役所 [健康推進部] 健康推進課 成人保健班
電話: 043-312-8228 ファクス: 043-485-6714
更新日:2024年09月30日