佐倉市産のものを味わおう!
地産地消(知産知消)とは
地産地消とは、国内の地域で生産された農林水産物を、その生産された地域内において消費する取組です。食料自給率の向上や、地元経済の活性化にもつながります。以下に紹介する以外にも、畜産やお米など、多種多様な地元産があります。
お米
佐倉市は、農地の約6割(約1,700ha)が田んぼです。
昭和22年に国営干拓事業が開始された佐倉市では、農事組合法人に農作業を委託し大型機械を使ったダイナミックな水稲栽培が見られます。
付近には京成本線が走り、車窓からは水田と沼を一望でき、のどかな水田風景を満喫できます。大規模な田んぼに隣接して佐倉ふるさと広場があります。
飼料用稲の収穫時には、直径2mほどに巻かれた稲わらロールがいくつもならび北海道の牧場のようです。WCS(ホールクロップサイレージ)と呼ばれ、稲の穂も茎葉もまるごと刈り取ってロール状に成型したものを、フイルムでラッピングして乳酸発酵させ、牛にも大人気のエサとなります。
市内の畜産にも活用されています。
佐倉市産コシヒカリの「めしあがれ」は、現在、市内小中学校の給食にも使用されています。
また、千葉県が13年かけて開発し2020年にデビューした新品種「粒すけ」は、大粒で白く程よい粘りと弾力が特長のお米です。令和2年(2020年)から一般栽培が開始され、現在は、香港や中東に輸出される品種に育っています(県紹介ページ参照)。
令和4年度(2022年)には、佐倉市内のコメ農家である清宮正裕(せいみやまさひろ)氏が、「千葉米食味コンクール」(JA全農ちば主催)で初代知事賞を受賞されています。
佐倉市内には、環境に配慮したアイガモ米の栽培もおこなわれています。春には赤ちゃんだったアイガモが、田んぼの草を食べたり、排せつをして稲の肥料になったり、農家さんに大事にされながらスクスクと成長し秋までを過ごします。
佐倉市では、米粉用のお米の生産面積は、県内1位です。ただし、米価の下落や資材の高騰等が続き、米農家さんには、厳しい状況が続いています。他方で、ウクライナ情勢等の影響により、小麦の価格も厳しい状況が続いています。
そこで、小麦の代わりに国内で安定的に確保できる食材として、米粉が注目されています。
やまといも
関東ローム層の柔らかな土と温暖な気候の佐倉市では、様々な農産物が売買されていました。中でも、江戸時代には「つくいも」と呼ばれていた「やまといも」は、80年前から生産が盛んになり全国でも有数の産地になっています(県内第2位)。
やまといもは、他の芋よりも強い粘り気と上品な甘みがあります。すりおろしていただくと絶品です。
さつまいも
さつまいもは、千葉県が全国でも有数の生産地であり、「さつまいも生産拡大緊急プロジェクト事業」を立ち上げ、輸出にも力を入れている作物です。県内でも、印旛郡での生産が多い作物です。
さつまいも|旬鮮図鑑(県HP)
近年、佐倉市内でも栽培が増えています。今年度は、有機栽培に注目している農家を対象に、さつまいも栽培研修を行いました。
落花生
千葉県は、全国第一位の生産量(国内産の約8割)ですが、実は、佐倉市は、千葉県内第3位の生産量を誇っています。品種は、「千葉半立(ちばはんだち)」、「ナカテユタカ」、「郷の香(さとのか)」、「おおまさり」、「Qなっつ」などがあり、それぞれに特徴があります。
秋になると、落花生畑では「ぼっち」と呼ばれる落花生の山が出現します。これは、収穫した落花生を乾燥させるために円筒形に積み上げたものです。
他方で、千葉では、生の落花生を掘りたてのまま茹でて食べることもあります。こちらは、ホクホクとした食感と落花生の独特の香りがします。こちらは日持ちしないので、秋限定の旬の味覚となります(一部、冷凍もあります)。
ブルーベリー
佐倉市には、佐倉ブルーベリー部会があり、ブルーベリーを生かしたスイーツ作りなどの研修をしています。また、新規にブルーベリーに挑戦する農家も出てきています。
市内では、摘み取り体験(6月〜9月頃)が出来る施設も増えつつあります。
野菜・フルーツ
佐倉市内には、ハウス栽培(施設園芸)も盛んで、たくさんの野菜やフルーツの農家さんがいます。特に、トマトは生産量が多い作物です。また、メロンやキュウリ等も栽培されています。
きのこなど専業で特定のものに特化したところから、多品種少量生産のところまで、それぞれ思いを込めて生産しています。
「シブ抜き」という作業をせず、収穫直前まで呼吸をしていたこだわりのレンコン。
農薬に頼らず、自家製の炭などを肥料に育てた味わい深い野菜たち。
畜産
佐倉市には、牛(肉牛、乳牛)、豚、採卵用の鶏など、様々な畜産業が営まれています。30頭ほどの小さな農家から、800頭を超える規模まで、多様な生産者がいます。
これらの動物が食べる飼料(飼料用米やWCS)も、一部は地元産のものになっています。
花
佐倉市には佐倉市花卉(かき)園芸組合という、お花の農家さんの組合があります。共同で栽培技術の研究をするほか、出荷や販売も行っています。特にユリは、全国でも珍しい周年栽培(年間を通して栽培を行う手法)を行っており、平成28年11月に中小企業地域資源活用促進法にに基づく地域産業資源として指定を受けました。
また、今井ゆり園のタイニーダブルユーが、全国及び輸入品の約20万点の候補から、「FLOWER OF THE YEAR OTA2021 特別賞」を受賞しています。直径10cm、茎丈30cmのタイニーダブルユーは、従来の大振りのユリとは異なり、ユリならではの華やかさも残しつつも、普段使いできるかわいらしい品種です。もともと市場での小輪ブームに加え、コロナで法人向けの需要が落ち込む中で、ステイホームの潮流にマッチしました。春と秋シーズンにそれぞれ2か月ほど出荷されます。
直売所
様々な地域からたくさんの商品がそろうスーパーとは異なり、いわゆる「地のもの」が農家直送で買える直売所が、佐倉市にはあります。
朝どれの新鮮な農作物から、そのお店でしか買えない加工品やオリジナル商品に挑戦していたり、大型店にはない個性が光ります。
このほかにも、農場直売の無人店舗や、農家の作業場内での店舗など、知る人ぞ知る小さなお店が数多くあります。
佐倉市大産業博覧会
本イベントは、市内で生産するさまざまな農産品等が一堂に集められ、それらを「見る」「買う」「体験する」ことができます。
2022年は、2日間で約8,700人が来場しました。
自校調理方式で地産地消
佐倉市の小中学校の給食は、「自校調理方式」を採用しています。すべての小中学校に給食の調理施設を設け、各校の栄養教諭等が独自の献立を作成しています。
その食材は、佐倉市産や千葉県産の新鮮なものを多く使い、地産地消に一役買っています。特にお米は、全て佐倉市産です。
また、直接に地元の農家や直売所から提供してもらうこともあります。学校毎の発注だからこそ、小規模の農家でも対応できる余地が生まれます。
学校ごとに、工夫をこらした給食を提供! 自校調理方式でつくる、佐倉市にしかない給食
グリーンツーリズム
地産地消は、単に農産物を食べるだけではありません。近年ではグリーンツーリズムとも呼ばれる、緑豊かな農山漁村に滞在し、その地域の農林水産業や文化、自然を体験したり、地元の人々との交流をしながら楽しむ余暇活動が注目されています。
佐倉市でも、農業や農村を味わう体験を楽しむことができます。
農業体験で農育
佐倉草ぶえの丘では、例年、ジャガイモほり、田植えや稲刈り体験、さつまいもほり、落花生ほりといった体験ができます(令和5年は、さつまいもほりは中止となりました)。
その他にも、農業者自身が農育イベントを実施しています。
単に「地」元の農産物を「消」費するだけでなく、地元で農産物づくりを体験することもできます。
佐倉なら、食べるだけでなく、体験も地元でできます。
市民農園
「一日の体験ではなく、種から収穫まで自分でやってみたい」という佐倉市民には、市民農園があります。自分で育てた農産物の味は格別で、まさに地産地消です。
市民農園
農林水産省「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」
農林水産省は、農産物ではなく農山漁村そのものが有する優良な地域資源を選定しています。
佐倉市では、 農事組合法人 鹿島が、平成29年度の関東農政局「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」優良事例選定地区に選定されました。
農事組合法人 鹿島「印旛沼でちょっと一息、ほっと一息!」
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更新日:2023年11月01日